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初心者におくる作曲方法のコツ!第59回 転調 その2

2018年1月26日趣味, 作曲

初心者におくる作曲方法のコツ!第59回 転調 その2

こんにちは!

今回も引き続き転調についてです。

ちょっと高度な転調にも触れていきますよ。

張り切っていきましょう!

さまざまな転調 続き

さまざまな転調 続き

ピボットコード

前回は、比較的簡単な転調を見てみました。

半音上げたり1音上げたり。

あるいは短3度上げるというのもありましたね。

これらの転調の特徴は

おもむろに転調する

ということです。

特に準備しないで、いきなり転調しました。

これからご紹介するのは

楽譜の上では準備はしていませんが
気持ち的に準備が必要な転調
です。

たとえばこんなフレーズがあるとします。

ex652

これは、普通にC-Major(ハ長調)の曲ですよね。

コードの機能をローマ数字で記しています。

CはトニックのIで
FはサブドミナントのIVですね。

この曲、どう続けていきましょうか。

こんなのはどうでしょう?

ex653

おや?

なんだかいつのまにか
F-Major(ヘ長調)になってしまいました。

最後のFは曲の終わりっぽく聞こえますよね。

曲の終わりというのは
通常はトニックのコードを使いますので

なんでだかこの場合は
Fがトニックになってしまっていることになります。

つまり、どこからかわからないけれども

C-MajorからF-Majorに転調した

ということになるんですね。

この転調の肝は、2小節目のFです。

上記の楽譜ではFの機能は「IV」ですよね。

でも、これをF-Majorの「I」というふうに
解釈を勝手に変えるのです。

そうすると、このFを契機にして
F-Majorに転調することができるのです。

つまり、ローマ数字で分析するとこういうことです。

ex654

はい。

2小節目のFに

C-Majorの「IV」の役割とF-Majorの「I」の役割と
2つの役割を同時に負わせるわけですね。

2つの役割をひとつのコードに負わせて
それを契機に転調するという転調のやり方です。

この2つの役割を負わされたコードのことを

ピボット・コード

といいます。

ピボットっていうのは支点のことですね。

シーソーで考えるとわかりやすいですね。

支点を中心に

左にシーソーが傾けばC-Majorで
右に傾けばF-Major。

で、その支点がピボット・コードです。

もうひとつ例をお見せしましょうか。

ex655

今度はGがピボット・コードになっています。

C-Majorでは「V」だったGを
転調先であるD-Majorの「IV」と読み替えるのです。

ところで。

最初の例だと「シ♭」
2つめの例だと「ファ♯」「ド♯」が

元のC-Majorにはない音ですよね。

この元の調にはないけれども
新しい調にはあるという音

特徴音

と呼びます。

転調したよ、ということを
聞いている人に伝えるために

転調したらなるべく早くこの特徴音を使うのがいいですね。

ドミナント進行を利用する

第43回 セカンダリー・ドミナント その1あたりでお話ししましたが

セブンスの和音というのは

とにかく5度下がりたくて仕方ない和音

です。

この、セブンスの和音から5度下に進む動き

ドミナント進行(ドミナント・モーション)

というんでしたね。

これを使って転調してみましょう。

たとえばこう。

ex656

2小節目最後のコードはC7ですが
これはC-Majorでは出てこないコードですね。

これまでは、イレギュラーに出てきたセブンスのコードは
セカンダリー・ドミナントの可能性がありましたが

これからは転調の可能性も含まれることになります。

今回の場合は

このC7を契機にして
あたらしくF-Majorのフレーズが始まりました。

転調したんですね。

C7というのはF-Majorの「V」ですよね。

転調の準備をこのC7でおこなっているわけです。

わかりやすく楽譜はこう書くといいですね。

ex657

はい、わかりやすくなりました。

このおもむろに出てきた転調先のドミナントの前に
転調先のサブドミナントをつけてもいいですよ。

ex658

Gm7 – C7 – F というのは

F-Majorの

サブドミナント – ドミナント – トニック

ですね。

もはやC-Majorの要素は
1小節目だけになってしまいました。

というわけで、いかがですか?

様々な転調のやり方を見てきたわけですが

今回ご紹介した2つは
ちょっとややこしかったですね。

今回やったのは原則に忠実な転調なんですが
実はちょっと飛び道具的な転調も存在します。

次回、そのあたりをご紹介しますよ。

ではまた次回!

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Posted by t.k