初心者におくる作曲方法のコツ!第59回 転調 その2
こんにちは!
今回も引き続き転調についてです。
ちょっと高度な転調にも触れていきますよ。
張り切っていきましょう!
さまざまな転調 続き
ピボットコード
前回は、比較的簡単な転調を見てみました。
半音上げたり1音上げたり。
あるいは短3度上げるというのもありましたね。
これらの転調の特徴は
おもむろに転調する
ということです。
特に準備しないで、いきなり転調しました。
これからご紹介するのは
楽譜の上では準備はしていませんが
気持ち的に準備が必要な転調です。
たとえばこんなフレーズがあるとします。
これは、普通にC-Major(ハ長調)の曲ですよね。
コードの機能をローマ数字で記しています。
CはトニックのIで
FはサブドミナントのIVですね。
この曲、どう続けていきましょうか。
こんなのはどうでしょう?
おや?
なんだかいつのまにか
F-Major(ヘ長調)になってしまいました。
最後のFは曲の終わりっぽく聞こえますよね。
曲の終わりというのは
通常はトニックのコードを使いますので
なんでだかこの場合は
Fがトニックになってしまっていることになります。
つまり、どこからかわからないけれども
C-MajorからF-Majorに転調した
ということになるんですね。
この転調の肝は、2小節目のFです。
上記の楽譜ではFの機能は「IV」ですよね。
でも、これをF-Majorの「I」というふうに
解釈を勝手に変えるのです。
そうすると、このFを契機にして
F-Majorに転調することができるのです。
つまり、ローマ数字で分析するとこういうことです。
はい。
2小節目のFに
C-Majorの「IV」の役割とF-Majorの「I」の役割と
2つの役割を同時に負わせるわけですね。
2つの役割をひとつのコードに負わせて
それを契機に転調するという転調のやり方です。
この2つの役割を負わされたコードのことを
ピボット・コード
といいます。
ピボットっていうのは支点のことですね。
シーソーで考えるとわかりやすいですね。
支点を中心に
左にシーソーが傾けばC-Majorで
右に傾けばF-Major。
で、その支点がピボット・コードです。
もうひとつ例をお見せしましょうか。
今度はGがピボット・コードになっています。
C-Majorでは「V」だったGを
転調先であるD-Majorの「IV」と読み替えるのです。
ところで。
最初の例だと「シ♭」
2つめの例だと「ファ♯」「ド♯」が
元のC-Majorにはない音ですよね。
この元の調にはないけれども
新しい調にはあるという音を
特徴音
と呼びます。
転調したよ、ということを
聞いている人に伝えるために
転調したらなるべく早くこの特徴音を使うのがいいですね。
ドミナント進行を利用する
第43回 セカンダリー・ドミナント その1あたりでお話ししましたが
セブンスの和音というのは
とにかく5度下がりたくて仕方ない和音
です。
この、セブンスの和音から5度下に進む動きを
ドミナント進行(ドミナント・モーション)
というんでしたね。
これを使って転調してみましょう。
たとえばこう。
2小節目最後のコードはC7ですが
これはC-Majorでは出てこないコードですね。
これまでは、イレギュラーに出てきたセブンスのコードは
セカンダリー・ドミナントの可能性がありましたが
これからは転調の可能性も含まれることになります。
今回の場合は
このC7を契機にして
あたらしくF-Majorのフレーズが始まりました。
転調したんですね。
C7というのはF-Majorの「V」ですよね。
転調の準備をこのC7でおこなっているわけです。
わかりやすく楽譜はこう書くといいですね。
はい、わかりやすくなりました。
このおもむろに出てきた転調先のドミナントの前に
転調先のサブドミナントをつけてもいいですよ。
Gm7 – C7 – F というのは
F-Majorの
サブドミナント – ドミナント – トニック
ですね。
もはやC-Majorの要素は
1小節目だけになってしまいました。
というわけで、いかがですか?
様々な転調のやり方を見てきたわけですが
今回ご紹介した2つは
ちょっとややこしかったですね。
今回やったのは原則に忠実な転調なんですが
実はちょっと飛び道具的な転調も存在します。
次回、そのあたりをご紹介しますよ。
ではまた次回!
t.k
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