スポンサーリンク

初心者におくる楽譜の読み書き!第11回 記号の実践 その3

趣味, 作曲

初心者におくる楽譜の読み書き!第11回 記号の実践 その3

こんにちは!

前回・前々回と記号についてお話ししています。

今回は更に音楽を豊かにする、そんな記号を見ていきましょう。

言葉は聞いたことあるけど意味がわからなかったっていうような
記号が出てきますよ。

では参りましょう!

様々な記号 その3

様々な記号 その3

アーティキュレーション

アーティキュレーションとは何でしょう?

英語の「articulation」は、「明瞭な」とか「はっきりした」という意味ですが
音楽では「演奏の仕方」みたいな意味あいで考えましょう。

楽器なら演奏だし、歌だったら歌い方と捉えてもいいですね。

なめらかに歌おうとか、音を短く区切って演奏しましょう、みたいな
そういう指示をする記号のことですね。

さっそく見てみますよ。

最もよく耳にするのがこれじゃないでしょうか。

スタッカート

ex205

音符に点をつけます。

符頭(音符の丸い部分)が上向きなら符頭の上に、
下向きなら符頭の下に点を打ちますよ。

意味は

音を切り離して、短く鋭く演奏する

です。

もうひとつ。

スタッカティッシモ

ex206

今度は点じゃなくで楔(くさび)みたいな形ですね。

鋭い感じの見た目です。

意味合いも、

スタッカートより更に短く鋭く演奏する

です。

逆に、次はスタッカートよりもいくぶん長く演奏する記号です。

メゾ・スタッカート

ex207

点と横棒の組み合わせですね。

点の方を符頭の近くに書きます。

意味は

音は切り離しつつも、長さを保って演奏する

です。

ざっくりと

やや長めのスタッカート

と理解してもいいですね。

実際歌ったり演奏したりするときは
音と音を切り離して、くらいの感じで大丈夫です。

音楽っていうのはニュアンスですからね。

もうひとつ。

テヌート

ex208

さきほどのメゾ・スタッカートから点が消えました。

意味は

音をしっかり保って演奏する

です。

要は音符の長さをしっかり演奏しなさいよということです。

わざわざ書く必要もないようにも思われますが
あえて書くということは、それだけしっかり音を保ってほしいってことですね。

通常の演奏よりも、やや重々しさを持って演奏すると良いです。

最後のアーティキュレーションです。

スラー

ex209

意味は

音と音を結びつけてなめらかに演奏する

です。

ピアノの音だとわかりづらいんで、トランペットにしましたよ。

ここからここまでをつなげてなめらかに演奏しましょう、という記号です。

ちなみに、先程のテヌートだとこうなります。

ex210

まあ、聞いても分かりづらいんですけどもね。

本当に若干のニュアンスの違いなんですよね。

ひとつひとつの音に重みを持って演奏してほしいときはテヌート、
なめらかにつなげたいときはスラーにするといいですね。

ちなみに、スラーと似た記号でタイというのがありますが
こちらは音と音を結びつける記号で、別物です。

これがタイですね。

ex211

2つの音符をつなげた長さだけ伸ばしなさいよ、という記号です。

速度記号

さて、曲をどんなテンポで演奏するかを指示する記号もあります。

まず、楽譜の最初によく書いてあるのがこういうやつ。

ex212

左上にある

ex213

これは、1分間に4分音符がいくつ入るかを示しています。

この場合は、1分間に4分音符が100回鳴るテンポというわけです。

このくらいのテンポですね。

ついでに、60と240も聞いてみましょう。

ex215

ex216

テンポがどのくらいかを確認するための機材が

メトロノーム

です。

昔、音楽室のピアノの上にあった、カッチカッチ音がなる
上向きの振り子みたいなやつですね。

今は、電池で鳴らす電子式のものもありますし
スマホ等のアプリでもありますよ。

曲の途中でテンポを変えることもありますよね。

「この曲のここからガラッとテンポを変える」という場合は
その箇所に上記のテンポ記号を書けばOKです。

徐々にテンポを上げる、徐々にテンポを下げるっていうのもありますよ。

アッチェレランド

ex217

徐々にテンポを上げていきます。

記号も英語っぽく読めば「アクセル」ですからわかりやすいですね。

リタルダンド

ex218

徐々にテンポを下げていきます。

上記の2つで上がってしまった/下がってしまったテンポをもとに戻すのは

ア・テンポ

ex219

です。

元のテンポでという意味ですね。

こんなふうになります。

ex220

わかりやすくするため、ちょっと極端にしましたが
つまりはこういうことです。

accel.でテンポを速め、a tempoでもとに戻し
rit.でゆっくりにしていくっていうことですね。

このほか、バンドスコアではあまり目にしませんが

ピアノなどのクラシック方面の楽譜で目にする
イタリア語とかドイツ語の速度記号をいくつか紹介します。

覚える必要はなくて、楽譜を見たときにビビらないで
テンポを表しているんだなと思っていただけたら良いですね。

以下、「おおよそのテンポ」は、1分間の4分音符の回数で示しています。

記号 読み方 意味(おおよそのテンポ)
Largo ラルゴ 幅広く遅く(40~60)
Adagio アダージョ 遅く、ゆるやかに(40~60)
Lento レント 遅く、のろく(40~60)
Adagietto アダージェット アダージョよりやや速く(50~70)
Andante アンダンテ ほどよくゆっくり、歩くような速さで(70~110)
Moderato モデラート 中くらいの速さで(100~120)
Allegretto アレグレット やや速く(120~140)
Allegro アレグロ 快活に、快速に(120~160)
Vivace ヴィヴァーチェ 活発に、速く(160~)
Presto プレスト 活発に、急速に(160~)

これが全てではないですけどもね。

Wikipediaとかで「速度記号」と調べると、いろいろと出てきますよ。

さあ、ずいぶんと記号が出てきました。

次回で記号の話はいったん終わりにしたいと思います。

また次回!

The following two tabs change content below.

Posted by t.k