初心者におくる作曲方法のコツ!第27回 短調について考えてみよう その2

2018年1月26日趣味, 作曲

こんにちは!

前回に引き続き
短調について考えます。

今回は実際に短調の曲に触れていきましょう。

では行きますよ!

長調から短調にする

長調から短調にする

和声的短音階

さて、実際に短調の曲を作るわけですが
1から作っているとまどろっこしいので

すでにある曲を短調にしてみたいと思います。

第10回で完成したこの曲。

ex278

これを使って短調について考えていきましょう。

ハ短調にするわけですが
どうすればいいんでしたっけ?

音階の3番目・6番目・7番目の音

すなわち

ミ・ラ・シ

の音を半音下げるんでしたね。

下げたものがこちらです。

ex279

はい、どうですか?

暗い曲にはなりましたよね。

でもどことなくぎこちない感じがしませんか?

特に4小節目と8小節目のGmのあたり。

しつこいようですが
長調以外の調は不完全です。

なんかしらの欠点があるわけです。

短調の欠点がもっとも色濃く出ているのが
この4小節目と8小節目のGmなんですね。

和音の働きとして

ドミナントが欲しいのに
ドミナント感が足りない
のです。

和音の働きやらなんやらのルールを
和声と言いまして

トニックやらドミナントやら
サブドミナントやらは

この和声というルールの一部なんですね。

現在の状況は
和声的にしっくりきてないわけなんです。

というわけで

長々と語りましたが

要はここで

和声的短音階を用いましょうね
ということなんです。

和声的短音階というのは以下でしたね。

ex280

7番目の「シ」の音を半音上げています。

メロディーに「シ」は出てきていませんが
伴奏の和音の方でシをフラットから元に戻しましょう。

半音上げてやります。

ex281

どうです?

ちょっとしっくりきましたよね。

これが和声的短音階のパワーなんですね。

和声的短音階が
多く用いられるときというのは

ドミナントの働きをするとき

ということができます。

メロディーか和音に
7番目の音が入っていたら

そこを半音上げてやればしっくりくるわけです。

前回も触れましたが
短音階には

自然的短音階

和声的短音階

旋律的短音階

の3つがありますが
臨機応変に使い分けるわけなんです。

旋律的短音階

じゃあ、旋律的短音階を使う時っていつなのか。

上記の曲だと用いる機会がなかったので
別のを用意しました。

ex282

このハ長調の短い曲を短調にしましょう。

まず単純にミ・ラ・シを半音下げて
自然的短音階の短調を作ります。

ex283

さっきやったときと同じように
やっぱりGmが気持ち悪いですよね。

メロディーと和音の「シ」を
半音上げてやりましょう。

ex284

しっくりきましたね。

和声的短音階を用いました。

しっくりきたんですけれども
歌いにくい箇所がありますよね。

「ラb → シ」の部分です。

これを歌いやすくするために
旋律的短音階を適用してみましょう。

ex285

ラbを半音上げました。

どうですか?

歌いやすくなりましたね。

そして、和声的短音階の時よりも
自然に聞こえます。

このように、メロディーが

ラ → シ

すなわち

6番目の音 → 7番目の音

となるときに多く用いられます。

シが半音上がっているときというのは
主に

ドミナント

の働きをしている時でしたね。

というわけで

旋律的短音階は

ドミナントの働きをしている

なおかつ

メロディーが 

6番目の音 → 7番目の音

と進む場合に多く用いられることになります。

もちろん、それに限定されているわけではなくて
ほかにも使われることは多々あります。

結局は聞いておかしくなければいいんです。

英語での表記について

英語での表記について

さて、話をがらりと変えまして。

音楽は万国にあって
それぞれの国で様々な表記をされます。

我々が今学んでいるのは
西洋で確立された音楽でして

基本的には音楽用語というのは

イタリア語・ドイツ語

あたりで記されることが多いです。

テンポとか強さとか

そういう演奏上の指示をする言葉は
特にそうですね。

たとえばだんだん強くする
「クレッシェンド」はイタリア語です。

一方で近年、といっても
ここ百数十年ほどですが

ジャズやロックの発展とともに
英語で表記されることも多くなってきました。

で、これが紛らわしい場合がありまして

コードで「メジャーコード」「マイナーコード」というと
響きの明るい和音、暗い和音を指しますよね。

この「メジャー」「マイナー」という単語は
調を表すのにも用いられるんです。

ハ長調は「C major」といいます。
(「ド」を表す日本語は「ハ」、英語は「C」でしたね)

ですので

単に「シーメジャー」といった場合
コードなのか調なのかわかんなくなっちゃいます。

同様に、ハ短調は「C minor」です。

これらの理由から

当講座では調とか音階に関する用語は
基本的には日本語に統一しています。

ですが、教則本などをお読みになると
英語表記の言葉も多く出てきます。

特に、前回・今回で出てきた音楽用語は
英語表記が用いられる機会も多いので

ちょっとだけ、わりとよく使われる
英語表記を紹介しておきますね。

音符 → ノート(note)

休符 → レスト(rest)

全音符 → ホールノート(whole note)

2分音符 → ハーフノート(half note)

4分音符 → クォーターノート(quater note)

8分音符 → エイスノート(8th note)

半音 → ハーフトーン(half tone)

ト音記号 → Gクレフ(G-clef)

ヘ音記号 → Fクレフ(F-clef)

楽譜 → スコア(score)

長調 → メジャー(major)

短調 → マイナー(minor)

音階 → スケール(scale)

自然的短音階 → ナチュラル・マイナー・スケール(natural minor scale)

和声的短音階 → ハーモニック・マイナー・スケール(harmonic minor scale)

旋律的短音階 → メロディック・マイナー・スケール(melodic minor scale)

音を順番に並べた「音階」のことを
スケールっていうのはちょっと面白いですね。

「スケールがでかい」みたいに
規模のことをスケールと言ったり

定規や秤をスケールと言ったり。

様々な意味がありますが
「段階」とか「音階」もスケールなんですね。

さて、短調の曲については今回で終わりです。

今後、また別の機会にも
短調にはちょいちょい触れていきます。

それではまた次回!

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Posted by t.k