初心者におくる作曲方法のコツ!第7回 和音ってどんなもの?その4
さあ、第7回です。
今回も和音の働きについて
お話ししますよ。
だんだんと
音楽っぽい感じになってきました。
今回はさらにバリエーションを
増やしていきましょう。
では参りましょう!
和音の働き その2
前回のおさらい
ちょっと前回のおさらいを
しておきましょうか。
「曲を終わりに導く」という
働きを持つ和音がありましたね。
最も強い力で
終わらせられるのが
ドミナント
というグループでした。
ハ長調の場合は
ドミナントは
G Bdim
が所属します。
「C – G – C」と
「C – Bdim – C」を聴いてみましょう。
次に強い力で
終わらせられるのが
サブドミナント
というグループでした。
ハ長調の場合は
サブドミナントは
Dm F
が所属します。
「C – Dm – C」と
「C – F – C」を聴いてみましょう。
ここまで前回のおさらいでした。
トニック
でもハ長調には
まだ使って良い和音が残っていますよね。
これもおさらいですが
ハ長調で使っても良い和音は以下でした。
残っている和音は
C Em Am
です。
これらはどんな働きを持つんでしょう?
ドミナントとかサブドミナントみたいに
この3つが所属するグループがあります。
そのグループ名を
トニック
といいます。
英語の「tonic」を辞書で引くと
「炭酸水」とか「強壮剤」に並んで
主音
と書いてあると思います。
まさにコレ。
ハ長調において最も重要な和音はCでした。
なのでCを主たる音である
「主音」と呼ぶのはわかりますね。
なんでEmとかAmも
「主音」なんでしょう?
それは
EmやAmは働きが主音である
Cと似ているからです。
だから同じグループに入れちゃえ!
ってことですね。
でもって、面倒だから
グループ名もそれでいいやってことです。
トニックの働き その1
じゃあトニックの働きってなんでしょう。
これはですね。
「受け止める」なんです。
ハ長調において
この3つの和音というのは
安定感があるんです。
前回のおさらいで聴いた
「C – G – C」や「C – F – C」で
Cに戻ってくるとすごく落ち着くでしょ。
でもって、これ以上は
できれば動きたくない気にさせられます。
Cはハ長調においては抜群の安定感ですが
残るEmとAmもそれなりに安定感がある。
安定感が強いのはAmの方です。
Emはちょいと不安定な感じですかね。
いずれにせよ
終わりに向かいたくてしょうがない
ドミナントやサブドミナントを
受け止めていったん落ち着かせる
という役目なんですね。
フレーズにいったんケリをつけたり
曲自体を終わりにしたり
でもそれだけではありません。
トニックの働き その2
前回、以下のような
和音の進行を作ってみましたね。
この「F – Dm」「Dm – F」に
注目しましょう。
サブドミナント同士がつながっても
違和感ありませんね。
トニックでも同様で
トニック同士でつながっても大丈夫です。
こんなふうに。
でもって、Cの時と同じように
Amからサブドミナントの
Fに行っても違和感ありませんね。
働きがCと同じだからです。
トニックの働きをまとめてみよう!
まとめてみましょう。
トニックからトニックに行ける
トニックからドミナントに行ける
トニックからサブドミナントに行ける
おお・・・なんだこれは。
万能ですね。
さっきの「受け止める」という
働きでまとめてみると
ドミナントからトニックに行ける
サブドミナントからトニックに行ける
トニックからトニックに行ける
おお・・・すばらしい。
和音の進行をまとめてみよう!
さあ、ここで全体的なまとめをしましょう。
トニックはどの和音にも進める
ドミナントはトニックに進む
サブドミナントはトニックかドミナントに進む
働きが同じ和音同士はつないで良い
長々語ってきましたが
これだけです。
このルールに従えば
和音の進行はいろいろ作れますね。
いろいろ試してみてください。
でも
このルール、絶対なんでしょうか?
そうじゃないんですね。
だから困ります。
和音の進行の例外とは?
なんども書いていますが
音楽のルールは全て後付けです。
なので大雑把な原則であって
こぼれるものもいっぱいあるんです。
以下の例を聴いてみてください。
途中、Gが出てきて
曲が終わるかと思ったら
終わんないで
サブドミナントのFに行っちゃった。
ドミナントからサブドミナントなんて
ありなのか???
お聞きいただいて分かるように
別にすごく変ではないですよね。
ちょっとフェイクが入ってる感じで
むしろ音楽としては豊かです。
この
ドミナントからサブドミナントに行って
トニックで終わる
というのは
イギリスのロックなんかで
わりと耳にします。
こんなふうにですね
全体的には原則に沿いながら
ちょっとそこから外れたことも
いろいろ試してみると
面白いんじゃないでしょうかね。
聞いた感じで変じゃなきゃいいんですから。
ハ長調以外の考え方
これまで便宜上
ハ長調のみで説明してきました。
短調はまたちょっと違った考え方を
説明しないといけないんですが
それをやってるといつまでも
作曲の実践に移れないので
短調の説明はまた
短調の曲を作るときにってことで。
ハ長調以外の長調を見てみます。
以前、第2回でご説明した通り
「長調」というのは
2 2 1 2 2 2 1
の間隔で音が並んだものです。
でもって、1オクターブの中には
鍵盤が12個ありますんで
それぞれの音から
2 2 1 2 2 2 1
の間隔で音を並べると
12通りの長調が
できることになります。
それら全てにおいて使って良い和音とか
和音の働きとかというのは
ハ長調で見てきたものと
同じ位置関係になります。
どういうことか?
ハ長調の場合は
使って良い和音は以下でした。
しつこくてすみません。
では「レ」から始まる
ニ長調ではどうでしょう。
こうなります。
ト音記号の右に#が2つあるのは
レから 2 2 1 2 2 2 1 の間隔で
音をたどっていくと
毎回「ド」と「ファ」は半音上がった
音を使うことになるので
あらかじめドとファは半音上げなさいよ
と宣言しているのです。
逆に言えば
この#が2つ書いてあったら
ニ短調ですよってことです。
このト音記号の脇にあるシャープとか
フラットを調子記号と言いますが
どの調子記号がどの調を表しているかを
知りたい方は
「調子記号 一覧」などで
調べてみてください。
それはさておき。
メジャーコードとマイナーコード
ディミニッシュコードの出てくる順番は
ハ長調の時と同じですよね。
メジャーコードは1・4・5番目
マイナーコードは2・3・6番目
ディミニッシュコードは7番目
これ、どの長調でも同じ順番になっています。
ためしにもうひとつだけ
ファから始まるヘ長調です。
こうなります。
やっぱり同じ位置関係ですね。
位置関係が同じということは
和音の働きも位置関係が同じになります。
ハ長調におけるトニックは
C・Em・Amでした。
これは1・3・6番目です。
同様にサブドミナントは
DmとFの2・4番目。
ドミナントはGとBdimの5・7番目。
図にするとこうなります。
T=トニック、S=サブドミナント、
D=ドミナントです。
これもどの長調でも
同じ位置関係になります。
すなわち
1・3・6番目の和音はトニック
2・4番目の和音はサブドミナント
5・7番目の和音はドミナント
ということで、ハ長調以外での
和音の考え方でした。
よく知らない調が出てきても
おちついて考えれば大丈夫。
音楽の考え方は
半音を単位にして
どれだけ離れているか
でしかないのです。
音楽って文系っぽいイメージなのに
実は数字で理解することができるなんて
不思議ですね。
最後、ちょっと難しい話になりました。
スミマセン。
でもようやく「音楽のひらがな」の
話が終わりました。
次回からいよいよ実践編となります。
メロディーをどうやって作っていこうか
メロディーにどんな和音をあてはめようか
そんなことをあれこれとやっていきます。
がんばって曲を作っていきましょう!
それではまた次回!!
t.k
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