初心者におくる楽譜の読み書き!第14回 調子記号

趣味, 作曲

初心者におくる楽譜の読み書き!第14回 調子記号

こんにちは!

今回は久々にシャープとかフラットとかの話をしますよ。

半音上げたり下げたりするやつですね。

早速参りましょう!

調子記号

調子記号

臨時記号のおさらい

さて、シャープとかフラットに関しては
当講座の初心者におくる楽譜の読み書き!第5回 記号-半音上げる・下げる-でお話ししました。

臨時記号

といいましたね。

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こうやって、音符の左側に書くやつです。

上のソ♯はソを半音上げたもの、
下のシ♭はシを半音下げたものです。

で、半音上げたり下げたりした音をもとに戻す記号が
ナチュラルでした。

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こうですね。

以上、臨時記号のおさらいでした。

今回は臨時記号ではないシャープやフラットの話です。

調子記号とは

臨時記号は、あくまでも臨時に半音上げたり下げたりするものでした。

しかし、たとえば「この曲ではファをずっと半音上げておきたい」
というような状況があったとします。

でも、毎回ファに♯をつけるのは面倒ですよね。

なんせ、臨時記号の有効範囲はその小節内のみっていう決まりがありましたから。

そんな場合に有効なのが、今回のテーマである調子記号です。

こういうやつです。

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上の方は、五線のファの位置に♯ですよね。

ということで、ファが出てきたら♯をつけて演奏しなさいという記号です。

高い方のファの位置に♯が書いてありますが
オクターブ関係なくファが出てきたらとにかく♯です。

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どっちのファも♯をつけて読みます。

一方、上記の下の方の例は、シ・ミ・ラの位置に♭ですよね。

つまりは、シ・ミ・ラが出るたびに♭をつけて読みます。

ひとつ例を。

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まず、調子記号がなにもないものを聞いてみましょう。

普通に、ドレミファソファミレドーですね。

これに、ファに♯をつける調子記号があるとどうでしょう?

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ドレミまではいいですけど、ファでちょっと「おっ?」となりますね。

同様に、シ・ミ・ラに♭の調子記号で聞いてみましょう。

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ラとシは出てきませんでしたけど、ミが半音下がりました。

なんか、暗いドレミファソファミレドですね。

この調子記号は、五線のすべての段に書く必要があります。

こんな感じ。

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一番最後の小節の右はじが二重線になっていますが
これは、ここで曲が終わりですよ、という記号です。

調子記号の意味

ここまででまあ、調子記号とはなんなのかということはわかりました。

調子記号が書いてあったら、とにかくずっと♯とか♭をつけて
楽譜を読めばいいんでしょ、ということです。

だけど、そもそもなんで調子記号が必要なんでしょう?

まず、調子記号なしでドレミファソラシドを聞いてみましょう。

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普通にドレミファソラシドですね。

じゃあ、ファとドに♯がつく調子記号の場合を聞いてみましょう。

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なんだか気持ち悪くなっただけですね。

ところがですね。

これを、ドから始めるのではなくて、レから始めてみたらどうでしょう?

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おや!?

ドレミファソラシドと似たものができましたよ。

これは

カラオケで言うところのキーを上げる・下げる

ですよね。

これが調子記号の意味なんです。

メロディーを歌いやすい高さにしたり
楽器が弾きやすいようにしたり。

調子記号がなにもない状態の場合は
ドレミファソラシドで一番気持ちいい感じになります。

でも上記のように、ファとドに♯がある調子記号の場合は
レから始めるレミファソラシドレで気持ちよくなるんですね。

比較的よく見かける調子記号と、どの音から始めると
ドレミファソラシドみたいに気持ちよくなるか

ざっとご紹介します。

まずシャープの調子記号。

シャープひとつはソからです。
ファにシャープがつきます。

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さっきも出ましたが、シャープふたつはレ。
ファとドにシャープです。

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シャープ3つはラからです。
ファ・ド・ソにシャープ。

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シャープ4つはミからです。
ファ・ド・ソ・レにシャープ。

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シャープ5つはシからです。
ファ・ド・ソ・レ・ラにシャープ。

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ここまでくると、あんまり使いませんよね。

楽譜を読むだけでもひと苦労です。

フラットの調子記号も。

フラットひとつはファからです。
シにフラットがつきます。

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フラットふたつはシ♭からです。
シとミにフラットがつきます。

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フラット3つはミ♭からです。
シ・ミ・ラにフラット。

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フラット4つはラ♭からです。
シ・ミ・ラ・レにフラット。

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フラット5つはレ♭からです。
シ・ミ・ラ・レ・ソにフラット。

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あんまりシャープやフラットの数が多い調子記号は
読みにくいので、あまり使わないほうがいいですね。

ちなみに、ヘ音記号の場合も同じように調子記号が使えます。

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また、調子記号のついた曲で
一時的に元の音を使いたい場合は

♮(ナチュラル)

を使います。

こう。

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この♮も小節内で有効なので、上記のようにふたつめのミで
再び調子記号に従う場合は、このように♭を書きます。

ここまで、調子記号について見てきました。

ちょっとややこしかったですね。

また次回!

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Posted by t.k