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初心者におくる作曲方法のコツ!第48回 いつか王子様が その1

2018年1月26日趣味, 作曲

初心者におくる作曲方法のコツ!第48回 いつか王子様が その1

こんにちは!

前回でいったん理論についての話は
区切りがつきました。

今回からは、かの名曲を取り上げますよ。

張り切っていきましょう!

既存曲を分析するということ

既存曲を分析するということ

分析することの意味

まずですね
既存曲から学ぶことについて考えましょう。

「学ぶ事は真似ぶこと」

なんて言いますけれども

特に音楽に関しては
これが当てはまります。

どうしてこういうサウンドになっているのか
どうしてこういう気持ちを呼び起こさせるのか

なにか引っかかったら
その曲をまねてみればいいんです。

そうすれば

それが例えばコード進行によるものなのか
メロディーの飛び方によるものなのか

なんとなく判断がつくようになります。

そのまんま真似すると
盗作になってしまいますけど

うまいこと手法を真似して
自分のものにしましょう。

では実際にやっていきます。

いつか王子様が

いつか王子様が

今回から取り上げるのは
「いつか王子様が」です。

ディズニー映画「白雪姫」の挿入歌であり
現在でもジャズのスタンダード・ナンバーとして有名です。

早速聞いてみましょうか。

ex532

はい。

みなさんよくご存知の曲ですね。

楽譜を見たり、音を聞いたりしてみて
ところどころ

「ん?」

と思ったところがあるかもしれませんね。
(ネタバレになりますが、楽譜に変な箇所があります)

この曲を使っていろいろと考えてみましょう。

コードを分析する

まず、楽譜の最初を見て分かることは?

ex533

3/4とありますので
4分の3拍子ですね。

また、フラット2つということで

Bb-Majorの曲もしくは
G-minorの曲ということがわかります。
(Bb-Majorは日本語だと変ロ長調、G-minorはト短調ですね)

1小節目の最初のコードがBbmaj7で
最後のコードもBbですので

Bb-Majorの曲と思っていいでしょう。

Bb-Majorの曲で使っていいダイアトニック・コードは以下ですね。

ex534

このローマ数字を使って
どういうコード進行なのかを見ていきます。

ex535

おお、いきなりつまづきました。

なんですか、このDaug7は。

augというのは

メジャーコードのルートから5度の音を
半音上げたもの
です。

ex536

この場合は
D7のラを半音上げたものになりますね。

このaugというものはですね

メロディーの都合で
メジャーコードと半音x1を構成してしまう時に

代替の和音として使う事が多いです。

2小節目最初の音は♭シですね。

コードにD7を使ってしまうと

D7に含まれるラと
半音x1を構成してしまいます。

D7の代わりに使っているのですね。

D7みたいなセブンスの和音ってなんでしたっけ?

ドミナントです。

5度下がりたい和音です。

でも次のコードはEbmaj7で
5度下がっていませんよね。

どう分析すればいいんでしょうか。

セカンダリー・ドミナントの分析

この曲においてD7が出てきたら
これは本来は5度下がりたい。

5度下がったところで待っているのは
本来Gm7のはずでした。

ローマ数字で表すとVIm7ですね。

VIm7のドミナントということで
V7/VIm7と表記します。

この斜め線(スラッシュ)は英語のofを表します。

つまり、V7 of VIm7っていうことですね。

ex537

ところが現実的に待っていたのは
Ebmaj7でした。

なぜ違和感なく進む事ができるんでしょうか。

Gm7はこう。

ex538

Emaj7はこう。

ex539

はい。

構成音がよく似ていますよね。

ソ・シb・レが共通です。

というわけで
5度下がると見せかけて

実際はよく似た和音に進んでみましたよ
というふうに見る事ができます。

ex540

こんな感じですかね。

5度下がりたいんだけど
着地点がなかったということで

点線の矢印にしてみました。

次のGaug7。

これもG7の代替だと考えると
本来はBb-Majorの曲には出てこないコードですので

これもセカンダリー・ドミナントの可能性が高いですね。

次を見てみると

ちゃんとCm7という
5度下がったコードが来ていますので

こうなります。

ex541

はい。

無事にドミナント進行になりました。

ドミナント進行は
矢印で表していきましょう。

次も同じ「Gaug7 → Cm7」進行ですね。

次のF7は普通にV7です。

ex542

このCm7からF7への流れ。

ちゃんとサブドミナントから
ドミナントへと流れていますね。

セカンダリー・ドミナントの時にふれました

ツー・ファイブ

という進行です。

こんな風にカッコを書いておくとわかりやすいですね。

ex543

さあ、F7というドミナントから
どこへ進むかというと

これまたへそ曲がりで
素直にBbに行かないんですね。

そこから先は次回に持ち越すとしまして。

ここまでで

セカンダリー・ドミナントというものは
なんだかいきなり出てくる

ということがわかると思います。

前のコードの働きがなんであっても
出たい時に出てきます。

そして、メロディーとの整合性を取るために

aug

という飛び道具のようなコードを使えることもわかりました。

次回、引き続き見ていきましょう。

それではまた!

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Posted by t.k