初心者におくる作曲方法のコツ!第47回 モードについて その2

2018年1月26日趣味, 作曲

初心者におくる作曲方法のコツ!第47回 モードについて その2

こんにちは!

今回も前回に引き続いてモードの話です。

このややこしいモードの話は
今回で終わりますので

頑張っていきましょう。

では参りますよ!

モードと和音

モードと和音

前回のおさらい

前回、7つのモードをご紹介しました。

ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シの
それぞれの音から音階を始めると

次の7つのモードができるんでしたね。

イオニアン音階(Ionian)=長調

ex506

ドリアン音階(Dorian)

ex507

フリジアン音階(Phrigian)

ex508

リディアン音階(Lydian)

ex509

ミクソリディアン音階(Mixolydian)

ex510

エオリアン音階(Aeorian)=短調

ex511

ロクリアン音階(Locrian)

ex512

この音の間隔で

すべてドから始めた
それぞれのモードがこちら。

C-Ionian(イオニアン)

ex513

C-Dorian(ドリアン)

ex514

C-Phrygian(フリジアン)

ex515

C-Lydian(リディアン)

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C-Mixolydian(ミクソリディアン)

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C-Aeorian(エオリアン)

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C-Locrian(ロクリアン)

ex519

以上、前回のおさらいでした。

今回はこのドから始めた
各モードを使って考えていきます。

モードの和音

さて、それぞれのモードの和音について
考えてみましょう。

C-Ionian(イオニアン)
すなわちハ長調で使っていい和音は以下ですよね。

ex520

これと同じことを
それぞれのモードでもやってみましょう。

C-Dorian(ドリアン)

ex521

C-Phrigian(フリジアン)

ex522

C-Lydian(リディアン)

ex523

C-Mixolydian(ミクソリディアン)

ex524

C-Aeorian(エオリアン)

ex525

C-Locrian(ロクリアン)

ex526

はい。

モーダル・インターチェンジの話をした際に

長調の曲で短調のコードを使ったり
短調の曲で長調のコードを使ったり

ということが可能だとお話ししました。

サブドミナントなら
サブドミナントの働きを持ったまま

置き換えが可能であると。

たとえば、IVの和音を
IVmにしてみたりっていうことですね。

ローマ数字の部分が
同じもの同士で置き換えができます。

で、実はですね。

理論上は長調と短調の間だけではなくて

すべてのモード間で
モーダル・インターチェンジを行うことができる
のです。

IVの例で言えば
リディアンのIV#dimを使ったっていいんです。

たとえばこんな普通のコード進行。

ex527

サブドミナントをリディアンに
モーダル・インターチェンジしましょう。

ex528

全然おかしくないですよね。

もちろんうまくいくものもあれば
うまくいかないものもあります。

メロディーと半音x1を構成してしまうような
和音はそもそも使えませんし。

でも、「ここらでちょっと変化が欲しいな」と
思うようなことがあったら

ぜひ果敢にチャレンジしてみてください。

モーダル・インターチェンジなのか、モードなのか

ところで、前回とりあげたスカボロー・フェア。

ex529

これ、調子記号を書いていないので
前回はドリアンのモードの曲として扱いました。

でも、以下のように考えることもできますよね。

ex530

D-minor(ニ短調)の曲で

下段3小節目だけドリアンに
モーダル・インターチェンジしているように見えます。

モードの曲なのか、モーダル・インターチェンジなのか。

短調とドリアンの違いは
この場合

シがフラットしているかしてないかなのですが
(シがフラットだったら短調)

この曲の中でシは

ここでしか出てこないことも
問題を難しくしています。

答えとしては「どちらの解釈でもいい」なのですが

どちらかといえば
モードと考える方がいいと思います。

なぜか。

モードの曲の特徴

モードが7つある中で

使い勝手のいい
イオニアンエオリアン

長調・短調として
扱われるようになった話をしましたね。

使い勝手がいいというのは
明るい・暗いが分かりやすいのはもちろんですが

曲が終わった感じがする

とか

曲が進んでいる感じを受ける

ということです。

つまり

サブドミナント・ドミナント・トニック
といった

曲を推進させる働きがはっきりしているんです。

逆に言うと、他のモードではそれが希薄だったんですね。

ということは

どうやって曲を進めればいいんでしょうか?

答えは

なんとなくうろうろする

なんです。

どのモードでも一応はIの和音が中心なので
トニックっぽいんですが

他の和音はあんまりこれっていう働きがない。

なので

Iの和音を中心に1つ上がったり下がったりみたいな
なんとなくの進行なんです。

スカボロー・フェアがまさにそれ。

Dmからなんとなく1つ下がってCに行ったら
すぐDmに戻る。

I → IIV → IV → IIV → I

とか

I → II → I → IIV → I

のような
うろうろした進行がモードのひとつの特徴です。

なので、スカボローフェアはどっちかといえば
モードだという判断をしました。

また、前回ミクソリディアンの例として
ちょろっと作った曲。

ex531

これはもう動くことを放棄しています。

ずっとおなじ和音。

トニックに5度下がってスッキリ!というような
ドミナント進行がほとんど存在しなくて

かつ、ちょっと不思議な感じのする曲だったら
たぶんそれはモードの曲です。

モードは進行感に乏しいゆえに
なかなか曲としては使いづらいんですが

ぜひ試してみて欲しいと思います。

モードの話、どうでしたか?

面倒くさかったですね。

さて、今回で一旦
理論についての話は終わりです。

つまり、今回までで理論をひと通り見てきたことになるんですね!

実はまったく触れていない
「転調」という理論があるんですが

これはしばらく先送りいたしまして

次回は、偉大な先人たちからいろいろと学んでいきましょう。

ではまた次回!

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Posted by t.k