初心者におくる作曲方法のコツ!第67回 補足いろいろ その2 五度圏
こんにちは!
前回から小ネタをこまごまと紹介しています。
今回も知っていると便利なことをご紹介しますよ。
では参りましょう!
五度圏
今回も新しい言葉です。
はい。
この画像が表しているものが五度圏です。
と言われても
全然ピンとこないですよね。
ちょっと補足!
この五度圏の図が見づらいようでしたら
(これでも頑張って作ったんですけども・・・)
「五度圏」とか「Circle of Fifth」(後述します)などの言葉で
画像検索してみてください。
きれいで見やすい五度圏の図がいっぱいでてきます。
Wikipediaにも「五度圏」という項目があります。
五度圏の基本的な見方
まず見方をご説明します。
輪っかの外側の方に書いてある大文字のアルファベット
これはMajor=長調の主音を表します。
(主音とは音階が始まる音のことですね)
一方、内側に書いてある小文字のアルファベットは
minor=短調の主音です。
一番上の外側に「C」、内側に「a」を例に見てみます。
そのさらに外側に調子記号が書いていない
ト音記号の五線がありますね。
C-Major(ハ長調)・A-minor(イ短調)のときは
五線には調子記号がありませんよということです。
その右隣を見てみましょう。
調子記号として♯がひとつありますね。
G-Major(ト長調)・E-minor(ホ短調)のときは
調子記号に♯がひとつ付きますよということなんです。
以下同様に
D-Major・B-nimorの場合は♯ふたつだし
逆方向に行って
F-Major・D-minorの場合は♭がひとつということになります。
見方を変えましょう。
もういっかい五度圏の図をはっておきますね。
てっぺんのCから右にひとつ進むとGですね。
5度上がったことになります。
調子記号を見てみると
シャープがひとつ増えていますね。
もうひとつ右に行くと
GからDでまた5度上がっています。
そして同様にシャープがまたひとつ増えています。
つまり
調が5度上がるごとにシャープがひとつ増える
ということになります。
で、これをどんどん繰り返していくわけですが
途中からシャープを使うより
フラットを使ったほうが見やすくなるということで
輪っかの下の方では
シャープを使った書き方とフラットを使った書き方と
どっちでもかまいません。
輪の左側だと
フラットがひとつずつ減っていきますが
フラットがひとつ減る=シャープがひとつ増える
ですので
やっていることは変わりません。
で、この5度上がっていくのを12回繰り返しますと
元の調に戻るんですね。
五度圏という名称のゆえんです。
英語だともっとわかりやすい。
Circle of Fifthといいます。
直訳すると「5度の輪」ですもんね。
逆方向も見てみましょう。
てっぺんのCから左にひとつ進むとCからFに5度下がります。
(もしくは4度上がったと見ることもできますね)
と同時に、調子記号にフラットがひとつ付きます。
あとは右回りと一緒ですね。
12回5度下がり
その都度調子記号にフラットをひとつずつ増やしていくと
元の調に戻ります。
五度圏で見る近親調
近親調とは間柄が近い調のことです。
転調するときは
近親調に転調するのがやりやすいですね。
この近親調も五度圏で見るととてもわかりやすいのです。
またまた五度圏の画像を見てみましょうね。
平行調
C-MajorとA-minorの関係は?
調号が一緒の長調と短調ということで
平行調
です。
この五度圏の図を見ると
輪っかの外と内の関係が平行調になりますね。
一目瞭然です。
属調
5度上の調を属調といいます。
五度圏で見ると
すぐ右の調ということになりますね。
C-Majorの属調はG-Majorです。
余談ですが
ハ長調におけるソの音
つまり、音階の5番目の音を属音といいまして
英語だとdominantといいます。
さんざん出てきた
ドミナント進行の「ドミナント」ですね。
よって属調を英語だとdominant-keyといいます。
下属調
もうひとつ。
5度下の調を下属調といいます。
Cの5度下はF
つまり五度圏だとすぐ左隣ということになります。
Fって5度下でもあるけども
4度上でもありますよね。
(オクターブ違いは無視しましょう)
属調をひとつ下げた調ということで下属調です。
同主調
同主調というのもありましたね。
主音が同じ、すなわち同じ音から始まる長調と短調の関係です。
C-MajorとC-minorみたいな関係のことです。
長調を基準に考えるなら
左に45度(3つ)行くと同主短調になります。
フラット3つ分ですね。
たとえば
てっぺんのC(大文字)から左に3つ行ったところの短調は
「c(小文字)」となっていますよね。
一方、短調を基準にすれば
右に3つ進めば同主長調になります。
五度圏の意義
これは、単純に関係性がわかりやすいということにあります。
パッと見て実にわかりやすい図です。
いかに音楽が「5度」というものに支配されているかですよね。
調のシャープ・フラットのありかたも
五度圏の図だとわかりやすいですね。
気に入った五度圏の画像を
いつでも見られるようにしておくといいですよ。
さて、これまでこの講座で扱ってきた
長調・短調のように
調がしっかりしている音楽を
調性音楽
といいます。
上記の五度圏で示されているのも調性音楽の関係性です。
でも音楽はそれだけではないんですね。
次回、ちょっと変わった和音などをご紹介します。
ではまた次回!
t.k
最新記事 by t.k (全て見る)
- 初心者におくる楽譜の読み書き!最終回 補足いろいろ - 2019年5月2日
- 初心者におくる楽譜の読み書き!第14回 調子記号 - 2019年4月13日
- 初心者におくる楽譜の読み書き!第13回 和音 - 2019年3月26日
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません