初心者におくる作曲方法のコツ!第45回 セカンダリー・ドミナント その3
こんにちは!
今回も引き続きドミナント関連の話です。
だいぶ話も進んできました。
今回までで基本的なところは
だいたい網羅することになります。
さあ、参りましょう!
セカンダリー・ドミナント 続き
エクステンデッド・ドミナントのおさらい
さて、前回はエクステンデッド・ドミナントを扱いました。
これは、とにかく5度下がりたいという
セブンスの和音の性質を利用して
ただひたすらドミナント・モーションを繰り返す
というコード進行ができるんでしたね。
たとえば、前回ご紹介したこんな感じ。
G7 → C7 → F7 → Bb7 → Eb7
というふうに
5度ずつ下がっています。
ただし、これをコード進行通りの
順番で作っていくと
到達点がわからなくなりますので
ゴールから逆にやっていく方が
良いこともお話ししました。
Dm7 → G7 → CMajor7
というふうに曲を終わらせるつもりだったら
A7 → Dm7 → G7 → CMajor7
E7 → A7 → Dm7 → G7 → CMajor7
B7 → E7 → A7 → Dm7 → G7 → CMajor7
というふうに
後ろから延長していくやりかたです。
ここまで前回のおさらいでした。
ツー・ファイブ
さあ、新しい言葉です。
ツー・ファイブ
これ、なんでしょうね。
「サブドミナント → ドミナント」というと
IV → V7
と
IIm → V7
の2つがありましたよね。
ハ長調だったら
「F → G7」と「Dm → G7」です。
この後者、IImからV7へとつながる流れを
ツー・ファイブ
といいます。
読んで字のごとく
2番目の和音から
5番目の和音に進む進行のことです。
クラシックっぽい曲だと
サブドミナントとして
4番目の和音を用いることが多いのですが
ポピュラーミュージックやジャズだと
2番目の和音をサブドミナントに
使うことが多いんですね。
で、便宜上名前をつけたのが
このツー・ファイブです。
このツー・ファイブを使って
ドミナントを拡張しましょう。
ツー・ファイブを使ったドミナントの拡張
まずここにツー・ファイブから
トニックに至る進行があります。
Dm → G7 → C
ごく普通の進行ですね。
このDmにセカンダリー・ドミナントを
くっつけましょうか。
A7 → Dm → G7 → C
はい。
で、このDmに進むA7にも
サブドミナント的ななにかを
くっつけてやれないかということなんですね。
前回のエクステンデッド・ドミナントだと
このA7の前に来るのはE7になりますよね。
でも、今回はドミナントモーションの
繰り返しだけではなく
サブドミント・モーションも加えてやろうというわけです。
A7がV7になる調というと・・・??
レの音から始まるニ長調です。
英語だとD-major。
ニ長調のIImは?
Emです。
ということは
Em → A7
というのは
ニ長調のツー・ファイブですね。
このA7をファイブと考えた時に
対応するツーを
くっつけてやろうと。
こうなりました。
聞いても全然おかしくないですよね。
このEmにもドミナント・モーションをつけてみましょう。
Emの5度上のセブンスですから
B7ですね。
そして、このB7にも
ツー・ファイブのツーをくっつけます。
B7がV7となるのはミから始まるホ長調。
英語だとE-majorです。
ホ長調のIImはF#mですので
こうなります。
(シャープやフラットなどの臨時記号は、同じ小節内だったらずっと有効なので
再度書く必要はないのですが、わかりやすくするために書いています)
前回のひたすらドミナント・モーションが続く
エクステンデッド・ドミナントと同様に
今回のツー・ファイブも
理論上はどこまでも続けることができます。
とはいっても
ものには限度がありますからね。
2回くらいがちょうどいいんじゃないですかね。
ツー・ファイブで実際に拡張してみる
実際に使ってみましょう。
なんども使っていますこの曲。
これを
前回はエクステンデッド・ドミナントを使って
こうしました。
無理やりな感じです。
今回はツー・ファイブを使った拡張をしてみましょう。
こうなりました。
まあ、せわしないですね。
こんなに1音ずつ
コードを変えるのはよくないんですが
たとえば
曲の一番最後にすごく盛り上げたいときなんかには
有効かもしれません。
今回のは曲そのものが短いんで
どうにもなりませんでしたが
可能であれば
1つのコードに2拍とか1小節あてはめられたら
なおのこと良いですね。
今回ご紹介した
このツー・ファイブをつかった拡張も
エクステンデッド・ドミナントの一種です。
さあ、3回にわたってお話ししてきた
ドミナント関連ですが
今回でおしまいです。
どうでしょう
難しかったですかね。
実は、今回までの知識で
ほとんどの曲は分析することができます。
そんなところまできてしまいました!
次回はまた別のお話です。
お楽しみに!
t.k
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