初心者におくる作曲方法のコツ!第44回 セカンダリー・ドミナント その2
こんにちは!
前回からセカンダリー・ドミナントの話を始めました。
今回は、これをさらに発展させていきますよ。
音楽がどんどん自由になっていきます。
さあ、参りましょう!
セカンダリー・ドミナント 続き
セカンダリー・ドミナントのおさらい
「ドミナントからトニックへと5度下がる」という
この動きを
ドミナント・モーション
と言うんでしたね。
これを、1番目のトニック以外にも
適用したものが
セカンダリー・ドミナント
です。
それぞれの和音の5度上のセブンスから
5度下がってその和音に到達するんでしたね。
具体的には、例えばハ長調なら
A7 → Dm
B7 → Em
C7 → F
D7 → G
E7 → A
F#7 → Bdim
こういう動きです。
この、矢印の左側が
右側のセカンダリー・ドミナントになります。
ややこしい話ですが
これを利用して前回やってみたのが以下です。
これを
こうしました。
この、イレギュラーに出てきたC7とA7が
セカンダリー・ドミナントですね。
以上、前回のおさらいでした。
セカンダリー・ドミナントの拡張
セブンスの和音について
さて。
ドミナント・モーションで使われるセブンスの和音。
通常の三和音にマイナー・セブンスの音を付与して
四和音にしたものですね。
この、セブンスの和音というのは
とにかく不安定で
5度下がりたくてしょうがないんです。
ドミナント・モーションしたくて仕方ないんですね。
ちょっと余談になりますが
どうしてそんなに不安定なのか
さらっとお話ししますね。
たとえばG7というコード。
この和音にはシとファが含まれますね。
シとファ
どれだけの間隔で離れていますか?
第30回でやった「度」を
思い出してみましょう。
完全4度と完全5度の中間ですよね。
つまり、増4度あるいは
減5度の間隔で離れています。
これがですね
不安定さを生む間隔なんですね。
あとちょっとどうにかなれば
完全4度か完全5度になれたのに。
この間隔を含む和音で
特に頻繁に使われる和音が
セブンスなんです。
ディミニッシュの和音も含みますけど
使われる頻度はそう多くないですし
ほかの四和音
たとえばDm7とかCMaj7には
この増4度/減5度は含まれません。
ちなみにこの間隔で離れた2音
昔から西洋では音楽の悪魔と呼ばれるほど
不安定な音とされてきました。
セカンダリー・ドミナントの拡張
でも、考え方を変えてみれば
このとにかく5度下がりたいという不安定さは
5度下がる推進力でもあります。
何を言っているのでしょうか?
ここに、G7というコードがあったとします。
G7は5度下がりたい。
5度下がると
そこに待ってたのが
CMaj7ではなくてC7だったらどうでしょう?
通常のハ長調だったらCMaj7なんですけどもね。
なんかの加減でC7だったら。
このC7も5度下がりたいんですね。
つまり?
セブンスのコードが続く限り
延々と5度下がっていけるんです。
G7 → C7 → F7 → Bb7 → Eb7 → ・・・
というふうに。
聞いてみましょうか。
各和音の一番高い音
メロディーっぽく聞こえるので
なるべくスムーズに動くような和音の重ね方にしました。
どうですか?
なんだかオシャレっぽい響きがありますよね。
これ、どこまで続けられるのかというと
セブンスじゃないコードが出てくるまで
いくらでも続けられます。
最後のEb7がたとえばEbm7だったら
もうドミナント・モーションをする必要はありません。
なぜなら、Ebm7には増4度/減5度が含まれないので
5度下がりたい欲求がないんですね。
こういうドミナント・モーションの延長を
エクステンデッド・ドミナント
と言います。
英語で書けばExtended Dominant
「延長されたドミナント」ということです。
実際にどう使うか
さて、このエクステンデッド・ドミナント。
どう使えばいいんでしょうね。
やりやすいのは
上記のように5度ずつ下がっていくのではなくて
ゴールを決めて逆算して考える
というやり方です。
たとえば、曲の最後に
Dm7 → G7 → CMaj7
という流れがあって
これはこのままにしたいとき。
Dm7に進むセカンダリー・ドミナントはA7ですね。
A7 → Dm7 → G7 → CMaj7
こうなりました。
A7に続くエクステンデッド・ドミナントは5度上のE7です。
E7 → A7 → Dm7 → G7 → CMaj7
さらにどんどん続けていけます。
B7 → E7 → A7 → Dm7 → G7 → CMaj7
きりがないんでここいらにしますが
とにもかくにも
後ろから考えるとわかりやすいです。
ただ、コードだけで考えていると
メロディーとの整合が取れませんよね。
そういうときはメロディーを変えちゃうか
いさぎよくあきらめましょう。
ここで実例を。
冒頭で使ったこの曲。
これをエクステンデッド・ドミナントを使って
変更するとこうなります。
まあ、無理やりですよね。
B7がでてきたところで何が起きたんだ?
となりますけど
曲が進むにつれて
最終的に辻褄は合います。
辻褄は合いますけど
決していい曲になってはいませんが。
とにもかくにも
こんな感じで使います。
こういうものは
使えばいいというものではなくて
良いものにするために使いたいところですよね。
なので、上記の例を反面教師にして
やりすぎないように気をつけましょう。
ちなみにこのエクステンデッド・ドミナント
曲の中のいつでもどこからでも始めて構いません。
今回はここまでです。
もうちょっとだけ
このドミナント関係の話が続きます。
多少は今回の無理やり感が薄まるかもしれませんよ。
ではまた次回!
t.k
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