初心者におくる作曲方法のコツ!第42回 モーダル・インターチェンジ その3

2018年1月26日趣味, 作曲

初心者におくる作曲方法のコツ!第42回 モーダル・インターチェンジ その3

こんにちは!

引き続き、モーダル・インターチェンジです。

前回はけっこういろいろ試しましたよね。

新しい発見がいろいろとありました。

さあ、今回も張り切っていきましょう!

モーダル・インターチェンジ 続き

モーダル・インターチェンジ 続き

前回のおさらい

前回までのおさらいです。

モーダル・インターチェンジってなんでしたっけ?

しつこいようですけど

主音が同じ長調と短調(同主調)の和音を置き換える

これがモーダル・インターチェンジですね。

長調の場合は

サブドミナントを短調のコードに
置き換えやすいんでした。

これをサブドミナント・マイナーというんでしたね。

そして、短調の和音のうち

6番目・7番目の和音も
サブドミナント・マイナーとして扱える
んでした。

ここまで、前回のおさらいでした。

短調のモーダル・インターチェンジ

さて、これもしつこいようですが
ハ長調のダイアトニック・コードは以下です。

ex454

ハ短調は以下ですね。

ex455

前回はおもに長調に短調のコードを
持ってきましたんで

今回は逆

短調の曲に長調のコードを持ってきてみましょう。

といってもですね

長調の時みたいに
サブドミナント・マイナーみたいな

ものすごい有効なモーダルインターチェンジが
存在するわけではないのです。

一応、建前上はどの和音でも
置き換えて良いことになってるけども

長調の時も使いづらいのってありましたよね。

サブドミナント

決まった名称が
特にあるわけではありませんが

サブドミナントは
他よりは多少置き換えやすいです。

こんなコード進行の短調。

ex456

ごく普通の短調の

トニック - サブドミナント - ドミナント - トニック

というコード進行です。

短調でもドミナントは
GmではなくGを使うことが多いんでしたね。

これのFmをFにしましょう。

ex457

なくはないですよね。

同様に以下のコード進行もやってみましょうか。

ex458

これをこうします。

ex459

まあ、これもなくはないか。

どっちもまあ

やってやれなくはないけど
あえてやるほどのこともないか

という感じです。

でもですね

サブドミナントから
直接トニックに行く進行だと

ちょっと変わった感じになります。

ex460

これをこうしますと。

ex461

なんかちょっと神秘的な感じがしますね。

ゲーム音楽でこんなのがありそうです。
(というか、実際にありますよ)

Ddimはどうかな。

ex462

これをこう。

ex463

こっちはそれほどでもなかったですね。

ひとつ、長調からではないのですが
よく使われる2番目の音の代替和音があります。

Ddimの一番低い音
レを半音下げたものです。

つまり、これが

ex464

こうなるわけです。

ex465

これ、いいですよね。

いいからよく使われるのですが。

Ddimのルートを半音下げたら
Dbになりました。

ローマ数字で表すと
IIdimがIIbになったことになります。

「ナポリの和音」あるいは
「ナポリの6度」なんて呼ばれる和音で

この場合だとファをルートにした
第1転回形がよく使われます。

イタリアのナポリに住んでた
昔の音楽家たちが

多用したっていうことらしいんですけどね。

なんで「ナポリの6度」という名称かというと

難しい話なので
興味ある人だけ読んでください。

第1転回形は以下の形ですね。

ex466

これって、サブドミナントのFmのルートから
5度の音を半音上げたものですね。

ex467

5度の音が半音上がると
短6度となります。

つまり、Fmの5度の音を短6度にしたよ
ということで

「ナポリの6度」という和音の名前になったのです。

だから、厳密にはDbじゃなくて
Fmの5度の音を半音上げたものなんですね。

音としてはDbの転回形ですけどね。

伝統的に第1転回形が使われてきましたが

現在では普通にIIdimのルートを
半音下げた形のIIbも使われます。

ドミナント

ドミナントは
そもそもハ短調でもGを使いますもんね。

ハ長調のもうひとつのドミナントである
Bdimももちろん使えます。

ex468

トニック

これは難しいですね。

なんせトニックですからね。

ハ短調にハ長調のEm、Amを組みこむのは
だいぶ難しいです。

使えなくもないけれども

こういう時に使えるというのが
決まりとしてないんです。

ひとつだけものすごく使いやすいのがあります。

Cです。

こんな風に使います。

ex469

音声の方は最後ちょっとためてみました。

すごく暗い曲でずっときて

最後の最後にちょっとだけ
希望を持たせる終わり方です。

こんなのどこかで聞いたことありますよね。

これが短調で最もやりやすい
モーダル・インターチェンジです。

短調の曲の最後の音だけ長調になった和音を

ピカルディの3度

と呼びます。

そしてこの最後だけ明るい終わり方を

ピカルディ終止

といいます。

Cmの3度の音を半音上げた和音
ということで

和音の名前に「3度」って入ってるんですね。

さっきのナポリと似ています。

ピカルディってなんでしょうね。

フランスの地方の名前に
ピカルディってのがありますが

この和音に関係あるのかどうかは不明です。

そう、このピカルディ。

世界中の誰も由来を知らない名称なのです。

さっきのナポリみたいに

そこに住んでたとか
わかりやすい由来ではないみたいで。

1700年代にはすでに由来を知るものはいなかったとか。

さあ、モーダル・インターチェンジの話はここまでです。

次回はまた別のお話です。

お楽しみに!

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Posted by t.k