初心者におくる作曲方法のコツ!第62回 二人でお茶を その2
こんにちは!
前回から、ジャズの名曲
「二人でお茶を(Tea for Two)」
という曲を分析しています。
まだ8小節しか分析してませんが
だいぶ盛りだくさんでした。
引き続きやっていきましょう!
二人でお茶を 続き
おさらいです。
曲を聴いてみましょう。
楽譜はこちら。
※クリックすると楽譜が大きく表示されます
動画だとわかりにくい場合のために
楽譜に忠実にピアノで弾いた音源も用意しました。
動画だと、ちょっと歌手の方の歌い癖のようなものがありますのでね。
あえてごくごくシンプルに弾いてみました。
こういう曲は、えてして楽譜に忠実に弾くだけでは
面白味がないものです。
ところで、ちょっと余談なのですが
お気付きの方もいるかもしれません。
8分音符の箇所が
「タンタ、タンタ」のように
ちょっとリズミカルな感じに演奏されています。
例えば、楽譜どおりに弾くとこうなのが
こう弾いているように聞こえますね。
楽譜にするとこんな感じのものを弾いているようです。
これはジャズに特有のルールで
スイング
といいます。
何も書いてなくても
8分音符の箇所を跳ねるように演奏するという
暗黙の了解がジャズの世界ではあるんですね。
とはいえ
スイングしないジャズの曲もありますし
確実にスイングした演奏が欲しい場合には
楽譜の冒頭部分に
SWING
と書かれていることが多いです。
余談でした。
9~16小節目
転調
さて、前回まででやった分析は以下です。
続きを見ていきましょう。
Bメロですね。
(四角で囲ったBの下に「9」とあるのは小節番号です。
ここが9小節目ですよという意味ですね)
いきなりDm7という
A♭-Majorの曲では使わないコードが出てきました。
次のG7も、11小節目のCmaj7もF7も
その次のEm7もA7も
全部A♭-Majorの曲では使わないコードです。
どういうことか?
これは転調が行われたんですね。
第58回で、短3度上げる転調
第59回で、ピボットコードを使った転調やドミナント進行を使った転調
第60回で、ドミナント進行しないフェイクがかった転調
などをご紹介してきましたが
なんとこれは
そのいずれにも当てはまりません。
Bメロでは調子記号で♭がついているラ・シ・レ・ミすべてを
臨時記号の♮で戻させています。
ピアノでいうところの
黒鍵はBメロでは一切使われていないんですね。
つまり?
C-Major、ハ長調になったということです。
調子記号がそのままになってるんでわかりにくいんですけどね。
わかりやすく書くとこういうことです。
いきなり長3度上がるというちょっと離れ技のような転調です。
あまりやらない転調です。
強いて言えば
Aメロの最後の音がドでのばして終わっています。
このドのテンションをそのままBメロの冒頭で引きずりたい
(ドからBメロのメロディーを始めたい)
ということなのかもしれません。
コード進行の分析
さあ、C-Majorと考えると分析はそう難しくありません。
コード進行自体はAメロとよく似ています。
まず最初のDm7とG7はツー・ファイブですね。
ドミナント進行しないで2回繰り返すのもAメロと一緒です。
次にCmaj7にドミナント進行するのも一緒です。
その次のF7は?
これもAメロの時の3小節目と一緒です。
イレギュラーなセブンスが出てきたら
セカンダリー・ドミナントを疑うんでしたが
しかし、ここでは5度下がらずに
半音だけ下がったコードに進んでいます。
前回を読み返していただきたいのですが
半音下がるというのも
ドミナント進行に近い効果があるのでした。
したがって、ここも
ドミナント進行によく似たことをやっている
となります。
はい。
次のEm7はC-Majorで使って良いコード(IIIm7)ですが
これが実は次のA7と
ツー・ファイブを作っている
というところもAメロと全く一緒です。
もうお気づきですよね。
転調しただけでコード進行はまったく一緒です。
どどん。
こうなります。
Aメロから全部見てみますとこうです。
わかってたことですが
コードの分析はまったく同じです。
最後のE♭7だけ、ちょっと違いますね。
でもこれは
次の「A’(Aダッシュ)」を考えるときに
一緒に考えましょう。
その方が都合が良いです。
今回はコード進行に関しては
新しい情報はありませんでしたね。
ポイントは転調に気づくかどうかです。
次の「A’」もほとんどAと一緒なんですが
新しい情報がちょいと出てきます。
最後のCは難しいですよ。
震えて待ちましょう。
それはまた次回。
では!
t.k
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