初心者におくる楽譜の読み書き!第9回 記号の実践 その1
こんにちは!
前回まで、実際に簡単な楽譜を読んできました。
でも実際の楽譜って、もっと複雑な印象がありますよね。
試しにこんな楽譜があります。
なんじゃこりゃ。
ピアノの楽譜で、かの有名な「エリーゼのために」なんですが
音符の他にもいろんなものが出てきますよね。
このへんを今回から見ていきましょう。
様々な記号 その1
臨時記号
臨時記号 基礎
臨時記号については初心者におくる楽譜の読み書き!第5回 記号-半音上げる・下げる-でお話ししました。
♯(シャープ)は半音上げる
♭(フラット)は半音下げる
♮(ナチュラル)は元に戻す
でしたね。
ちょっと実践してみましょう。
前回までの知識で読めるこの楽譜。
難しくないですね。
ドーレミーファーソーーーって感じです。
鍵盤で見るとこうですね。
これがこうなるとどうでしょう?
音符に読みがなをつけるのは難しくないですよね。
ファに♯(シャープ)がくっついただけです。
音になるとどうですかね。
ファのところの感じが、さっきとは違いますよね。
鍵盤だとこうなります。
ファが、半音上の黒鍵になりました。
じゃあフラットはどうでしょう?
まずこれを読んでみましょう。
さっきよりちょっと凝った感じですが、読めますかね。
はい。こうなります。
ソドシーラーシーソーーーですね。
鍵盤だとこの鍵盤を使っています。
じゃあこれは?
3つめの音符「シ」に♭がついていますよね。
5つめの音符の「シ」の方はどうでしょう。
初心者におくる楽譜の読み書き!第5回 記号-半音上げる・下げる-の記事を思い出してほしいのですが
1度出てきた臨時記号は、その小節内で有効
なんです。
なので、読み方としてはこうなります。
音はこうです。
鍵盤で見るとこう。
見づらくてすみません。
臨時記号 実践
じゃあ、もうちょっと複雑なものを見てみましょう。
はいこちら。
2つめの「レ」に♯がついていますね。
この♯は小節内でずっと有効ですが
7つめの「レ」で♮(ナチュラル)がついています。
つまり、この7つめのレではシャープを外して
もとに戻しなさいということなんです。
読み方としてはこうなります。
♮のついているレには、「レ♮」という表記はしていませんが
つまりは元のレに戻ったっていうことです。
音を聞いてみましょう。
あら、これは。
「エリーゼのために」の冒頭部分ですね。
今回の記事の最初に出てきた楽譜を、簡単に書き直したものです。
もうしばらくしたら、原本のままで楽譜を読めるようになりますんでね。
もういっちょ。
これも、音符に読みがなをつけるのは難しくないですね。
はい。
じゃあ、音で聞いてみましょう。
これまでよりちょっとテンポをゆっくりにしてみました。
これもよくご存知ですよね。
滝廉太郎作曲、「荒城の月」です。
実に哀愁があって心にしみるメロディーですね。
これ、もし♭がついてなかったらどうでしょう。
素晴らしく馬鹿馬鹿しいですね。
哀愁も何もないです。
♭があることによって、暗めの曲調になるんですね。
(このあたりの理屈はまたいずれお話しします。
先に知りたい方は、初心者におくる作曲方法のコツ!第3回 明るい曲と暗い曲の違いとは?をお読みください)
ところで、滝廉太郎が最初に作曲した荒城の月は
上記の形ではありませんでした。
こうだったんです。
3小節目のファに♯がついています。
聞いた感じも、なんかちょっとふわっとした感じがしますね。
これはですね、山田耕筰さんという人がいまして
(唱歌の「赤とんぼ」「からたちの花」「この道」などで有名ですね)
ファに♯がついているのは病的な感じがするっていうんで
改変してしまったんです。
滝廉太郎が亡くなって14年後のことでした。
改変の良し悪しはともかくとして
♯ひとつで印象がなんか変わるっていうのは確かのようですね。
さ、臨時記号に関してはここまでにします。
次回は、臨時記号以外の記号を見ていきましょう。
また次回!
t.k
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