初心者におくる作曲方法のコツ!第46回 モードについて その1
こんにちは!
今回は積み残しとなっていた
モードについてです。
モーダル・インターチェンジの時に
いずれご説明しますのでといって
すっ飛ばしておりました。
ちょっとややこしいですけど
これを乗り切れば
もう面倒な話は出てきませんので。
張り切っていきましょう!
モードとは?
長調・短調とモード
さて、第40回で
モーダル・インターチェンジについて
お話しした時に
「ここでは長調と短調のことだと思ってください。」
と書きました。
でもそのあとに
本当はもっと他の調があるんですよと
ほんのり匂わせたままになっていました。
というのも、長調と短調以外の調は
そんなに頻繁には使わないんですよね。
なので、今回は知識としてお読みいただけたら幸いです。
(モードを実際に使った曲もあとで紹介します)
ハ長調の音階はこれですよね。
音の間隔は
半音を単位として
x2 x2 x1 x2 x2 x2 x1
でしたね。
ト音記号の右側に
なんの調子記号もついていません。
この調子記号がない状態で短調だと
イ短調になりますね。
今度は、音の間隔が
x2 x1 x2 x2 x1 x2 x2
となりました。
ハ長調の音階をドからではなく
ラから始めたら短調ができちゃった
ということができます。
これと同じことを
ドとラ以外の音でもやってみたらどうでしょう?
様々な音階ができますよね。
たとえば
レから始めてみましょうか。
非常に短調と似た音階ができました。
短調との違いは
6番目のシの音が
短調より半音高いことですね。
この音階はなんでしょう?
長調でも短調でもない
ドリアン音階(英語表記ではDorian)
といいます。
ドリアン・・・??
さまざまなモード
これまで長調とか短調とか
あるいは
英語でメジャーとかマイナーとか
わかりやすかったのに。
でも実はですね
長調と短調にもこういう
変な名前が付いているんです。
長調の音階=長音階はイオニアン音階(Ionian)
短音階はエオリアン音階(Aeorian)といいます。
というか
もともとはこちらの呼び方の方が先ですね。
特によく使う2つの音階を
長音階・短音階として
特別扱いするようになっていったということです。
そして、この様々な音階をひっくるめて
モード
と呼びます。
また、たとえばドリアン音階を使った曲を
「ドリアンの曲」というように言います。
「この曲のモードは?」と聞かれたら
ドリアンだね、などと答えます。
では、すべてのモードを見てみましょう。
レの次はミですね。
短音階の2番目の音が半音下がったものです。
逆にこの場合は
ファが半音上がったら
ホ短調=E-minorになりますね。
この音階を
フリジアン音階(Phrigian)
といいます。
教会音楽や宗教音楽に
題材をとったような曲でまれに使われます。
次はファから。
長音階の4番目の音を
半音上げたものです。
リディアン音階(Lydian)
といいます。
ちょっと神秘的な感じがするので
ゲーム音楽なんかで使われているのを
耳にすることがあります。
次はソ。
長音階の7番目の音を
半音下げたものです。
ミクソリディアン音階(Mixolydian)
です。
これもちょっと神秘的な感じがします。
ゲームや映画音楽などで耳にします。
ラは先ほどやった
エオリアン音階(Aeorian)
すなわち短音階ですね。
シから始まる音階。
短音階の2番目・5番目の音を
半音下げたものです。
ロクリアン音階(Locrian)
といいます。
これはあまり使われてるのを
聞いたことがありませんね。
たぶん、古い教会音楽とかであるんでしょうが
なかなか耳にする機会はなさそうです。
さて、ここで逆を考えてみましょう。
上記の音の間隔で
すべてドから始めてみましょう。
C-Dorian
「ハ長調」みたいな呼び方がありませんので
上記のような英語表記か
C-ドリアンみたいな
書き方になります。
ト音記号の右にフラットがふたつつきました。
つねにミとシは半音下げなさいよ
そうすれば、ドリアン音階になりますよ
ということです。
以下同様に
C-Phrygian(フリジアン)
C-Lydian(リディアン)
C-Mixolydian(ミクソリディアン)
C-Aeorian(エオリアン)
C-Locrian(ロクリアン)
以上、モードの紹介でした。
モードを使って曲を作る
といわれても
なんだかよくわかんないですよね。
ためしにミクソリディアンで
短い曲を作ってみました。
どうです?
この短さでも
すごく神秘的な感じがしますね。
ソを中心にした
ト長調=G-Majorかと思いきや
ファが出てきた瞬間に
これは長調じゃないなとわかります。
G-Majorは常にファがシャープですからね。
そう、これはミクソリディアンを使っているのです。
もう1曲有名な曲をご紹介しましょう。
ご存知、スカボロー・フェアです。
この曲、ニ短調=D-minorの曲のような顔をして始まりますね。
でも2段目の3小節目でシの音が出てきて
「あれ?」っとなる。
D-minorではシではなく
シのフラットを使いますもんね。
よく見ればコードも
D-minorでは使わない
「G」(ここでは転回形のG/D)が使われています。
おまけに、ト音記号・ヘ音記号のわきに
なんの調子記号も書いてありません。
D-minorだと普通はフラットが1つ書かれています。
つまりこれは
D-Dorian(ドリアン)なのでした。
短調のように暗いばかりではない
独特のひょうひょうとした
雰囲気がありますよね。
というわけで
今回はここまでです。
いかがでしたか?
ちょっと難しかったですかね。
次回、もうちょっとだけモードの話が続きます。
実際にどう活用するか
特に和音について
お話ししたいと思います。
おたのしみに!
t.k
最新記事 by t.k (全て見る)
- 初心者におくる楽譜の読み書き!最終回 補足いろいろ - 2019年5月2日
- 初心者におくる楽譜の読み書き!第14回 調子記号 - 2019年4月13日
- 初心者におくる楽譜の読み書き!第13回 和音 - 2019年3月26日
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません