初心者におくる作曲方法のコツ!第58回 転調 その1
こんにちは!
今回から新しいことをやっていきますよ。
久々に理論っぽい話です。
後回しにしてきた転調について見ていきます。
今回も張り切っていきましょう!
転調とはなんだ?
そもそも転調とはなんでしょうか。
簡単に定義すると、
曲の途中で調を変えること
となります。
転調の方法にもいろいろとありまして
ごくごく簡単な方法から
ひどくややこしい転調まで様々です。
クラシックの曲ではけっこう頻繁に転調するんですが
ポップスではそんなに頻度は高くありません。
でも知っておくと
いざというときに実に便利なもの
それが転調です。
まずは、簡単なものから順に見ていきましょう。
さまざまな転調
簡単な転調
ちょっとだけ音を上げる
まず最も簡単なものです。
ちょっとだけ音を上げる
はい。
これは、曲の中ではあまり目にしません。
どこで出てくるかというと
1番から2番にいくとき
あるいは
2番から3番にいくとき
が多いですね。
要は、同じメロディーを最初からもう1度繰り返すときに
音をちょっと上げてテンションを上げるわけです。
聞いてみましょうか。
例として、この曲を使います。
大昔、第10回で作った曲を短くしたものです。
Aメロだけの短い曲ですね。
まずは2回目に行く際に
音を半音上げた例です。
いきなりひどい楽譜になってしまいました。
シャープが多すぎて見づらいのですが
C-Major(ハ長調) → C♯-Major(嬰ハ長調)
に転調したものです。
2回目に入ったときに
ちょっと視界が開けたような
パーッと明るくなった感じがしますね。
次に2回目に行く際に
音を1音上げた例を見てみましょう。
C-Major(ハ長調) → D-Major(ニ長調)
に転調しました。
これもいいですね。
半音上げたときよりも
さらに明るい感じがあります。
これらの半音、もしくは1音上げるというのは
ポップスでもよく出てくる転調のひとつです。
短3度上げる
次に、曲の途中で使える転調を見てみます。
この短3度上げるというのは
Aメロ – Bメロ – サビ
のような曲のときに
Bメロに使うのがよくあるやり方です。
そしてサビにいくときに元の調に戻るのがいいですね。
先ほどの例の曲を以下のようにしまして
この続きにBメロをつけてやりましょう。
Bメロを短3度上のE♭-Major(変ホ長調)にしてみます。
ちょっと違ったものが始まったような
新鮮な感じがしますね。
この、短3度上に転調するというのは
実に使い勝手がいい転調です。
そして注目すべきは最後の小節です。
コードが
F → G
となっていますね。
このFもGも、E♭-Majorでは出てこないコードです。
元のC-Majorに属するコードですよね。
このように
元の調に戻る直前に元の調の
サブドミナント → ドミナント
というコード進行を入れることで
自然に元の調に戻せるのです。
元の調に戻る「準備のコード進行」を
直前に入れてやるわけですね。
元の調に戻してサビをくっつけてみましょう。
なんのことはない
Aメロをオクターブ上げて
繰り返しただけですが
ちゃんと自然に元の調に戻っていますよね。
でも、この「準備のコード進行」がなくても
戻れてしまいます。
はい。
なんだかわかんないけど
なんとなく自然に戻れました。
これは、この「短3度上」だからできる特典です。
E♭-MajorのドミナントであるB♭は
たまたま、C-Majorのドミナントとしても機能できるのです。
モーダル・インターチェンジを覚えていますか?
通常のC-Majorで
ときどき同主短調(主音が同じ短調)である
C-minorのコードを拝借できるんでした。
そしてC-minorの場合
B♭というのはドミナントとして働くんでした。
というわけで
たまたまB♭がCに進むのにちょうどいいわけです。
理屈としてはややこしいですが
要は短3度上に転調して戻ってくるのは簡単
ということです。
この場合はC-MajorとE♭-Majorですが
ある調と、その短3度上の調というのは仲が良いのです。
C-Majorの
同主短調は
C-minorですね。
このC-minorと調子記号が同じ長調は
E♭-Majorなのです。
(調子記号が同じ調同士を並行調といいます)
というわけで
関係が近いと言えば近いわけなんです。
さあ、次回も転調の話が続きます。
もうちょっと入り組んだ転調なんかも見ていきますよ。
また次回!
t.k
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