初心者におくる作曲方法のコツ!第12回 長いフレーズの曲を作ろう その2

2018年1月26日趣味, 作曲

初心者におくる作曲方法のコツ!第12回 長いフレーズの曲を作ろう その2

こんにちは!

前回からちょっと長めの
フレーズを作っています。

読んでいる方の中には

1音1音ちまちまと選んでいることについて
意外に思われている方がいるかもしれません。

作曲って、もっとスイスイやってる印象がありますよね。

それはこのちまちました作業を

知識と経験に基づいて
短時間でやっているということなんです。

それでも、かのベートーベンも
たった1小節を13回書き直したとか。

大作曲家でもスイスイとはいかないこともあるんですね。

我々はまだ2曲目

今回もちまちまと紡いでいきましょう。

ある程度進んだら
もうちまちましなくなりますので。

では参りますよ!

ちょっと長いフレーズを作る 続き

ちょっと長いフレーズを作る 続き

前回のおさらい

前回のおさらいです。

魚釣りに行き たくさん釣り上げた

この短い文のイントネーションをもとにして
以下のようなものを最初に作りました。

ex117

そしてこの音の上がり下がりを基準にして
前半部分を以下のように発展させました。

ex118

今回はこのあと。

「たくさん釣り上げた」です。

コードを決める

後半部分を作る前に。

2小節目のコードを決めましょう。

Cのままでも良いですが面白くないので変えます。

メロディーが「レ」なので
レを含む和音にしてみましょうか?

ex119

ex120

ex121

どうでしょう。

今回はバラードなので優しい雰囲気にしたい。

聞いた感じだとDmに進むのが
最も情緒があるような気がします。

GやBdimだとちょっと強すぎるんじゃないかなと。

じゃあDmにするか。

でもまだ序盤だから
暗い響きのマイナーコードはちょっといやだなあ。

Dmの働きは?

サブドミナントですね。

和音の働きについては

初心者におくる作曲方法のコツ!第6回 和音ってどんなもの?その3

初心者におくる作曲方法のコツ!第7回 和音ってどんなもの?その4

で触れています。

ハ長調の中で
同じサブドミナントの働きをするコードは?

Fです。

じゃあFでもいいんじゃない?

ex122

いかがですか?

Dmよりもこっちの方がいいですね。

メロディーの音がコードに含まれていなくても
聞いておかしくなければ大丈夫です。

ハ長調でダメなメロディーと
コードの組み合わせは

初心者におくる作曲方法のコツ!第11回 長いフレーズの曲を作ろう その1

の最後の方で触れています。

かなりわざとらしい言い回しで説明しましたが

コードを決めていくための
ひとつの考え方の流れをご紹介しました。

メロディーの続きを考える

さて後半部。

ex123

これを前半部から繋がりが良いように変えましょう。

試しにいまあるものにそのまま和音をつけて
流れを聞いてみましょう。

ex124

3小節目、1回目と変化をつけたかったので

メロディーの「ド」と「ミ」を含む
Amにしてみました。
Cのままでもいいです。お好みで。)

どうでしょう。

正直、そんなに悪くはないですね。

これでいいやって決めちゃってもいいです。

でも、ちょっと長めのバラードにすることを考えて
より良いものを探ってみましょう。

Amはトニックです。

安定感のある和音ですね。

確かに「たくさん釣り上げた」で
新しいフレーズが始まったような感じがします。

新しいフレーズが始まったのではなく

まだ前の続きであるように聞こえさせるには
どうしたらいいか?

トニック以外の和音を使うと良いです。

まだまだ安定しないぜ、落ち着かないぜっていう
意思表示ですね。

そうするとメロディーも変えなければいけません。

今あるものは「ド」「ミ」「ソ」ばかりで
ちょっとトニック色が強すぎですね。

理屈では、2小節目はサブドミナントなので

ドミナント
サブドミナント

いずれにも進めますね。

試してみましょう。

メロディーは暫定的に、音の上下だけ活かして
コード内の音に適当に置き換えます。

ドミナントに進む場合

ex125

4小節目はドミナントからトニックの流れにしました。

サブドミナントに進む場合

ex126

4小節目はサブドミナントからドミナントの流れにしました。

いかがですか?

これもお好みで決めて良いです。

自分が良いなと思う方で。

ここでは下の方の例、すなわち
サブドミナントに進む方を採用することにします。

メロディーは
この暫定版でもいいんですけども

もうちょっとじっくり考えましょう。

やっぱり良い曲にしたいですからね。

それは次回に持ち越し。

メロディーとコードの関係

ここまでで

コードを変えたからメロディーを変える

ということに違和感を持つかもしれません。

メロディーとコード、どっちが優先なのかと。

それは今やっているのが

言葉を元に暫定的な音の上げ下げを作り
それを元にメロディーらしくしていく

という作業だからなんですね。

元々あるものが決して「良いメロディー」ではなく
ただの音の上げ下げの目安でしかない。

まだまだメロディーを生んでいる最中です。

逆に言うと、ものすごく強固なすばらしい
メロディーが先にあるならば

そのメロディーを生かすコードを付けましょう。

メロディーを生むためにコードを先に決めてみたり
メロディーを生かすためにコードを付けてみたり。

そうやって、コードとメロディーを
行ったり来たりしながら

重層的に作っていくのも面白いと思いませんか?

探り探り良いものを作っていきましょう。

今のバラードができあがったら
今度は違う方法もやってみますので

今しばらくお付き合いください。

それではまた次回!

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Posted by t.k