初心者におくる楽譜の読み書き!第12回 反復記号
こんにちは!
前回はアーティキュレーションについてお話ししました。
主に、演奏の仕方について指示する記号でしたね。
今回は、音楽的に豊かにするわけではありませんが
楽譜を読んだり書いたりする上で欠かせないものをご紹介します。
すなわち
反復記号
ですよ。
参りましょう!
反復記号
反復記号とは
そもそも反復記号とは何でしょうか。
例えば歌なんかだと、1番と2番、そしてもう1回サビ、というのが
一般的な構成ですよね。
これを表すのに、全部ずるっと楽譜を書かなければいけないのかというと
そんなことはありません。
同じものは1回書けば良いのです。
労力と紙の省エネですね。
ただし、どこをどういうふうに何回演奏するのかを
きちんと記さなければいけません。
これを反復記号が担うのですね。
バンドスコアみたいに、少ない紙のスペースに
なるべく多く曲を収録したいときなんか、非常に便利です。
早速、いろんな反復記号を見ていきましょう。
簡単な反復記号
まず、最も簡単な反復記号です。
縦の二重線にちょんちょんと点を打ったものですね。
注意点として、小節の途中で用いることはできません。
かならず小節単位で用います。
ちょんちょんが縦二重線の右側にあるもの
すなわち1小節目の頭が繰り返し箇所の始点です。
で、ちょんちょんが縦二重線の右にある、2小節目の終わりが繰り返し箇所の終点です。
この2つの記号で囲まれた部分を、もう1回繰り返しなさいよ
という記号です。
こんなふうに演奏します。
反復記号で囲まれたところをもう1回演奏したあと
続きに進むわけですね。
この繰り返し箇所の始点ですが、曲の頭の場合には省略できます。
こうですね。
1番カッコ・2番カッコ
1回目と2回目で、違うところを演奏する場合の指示です。
言葉にするとややこしいですが、図で見ると難しくないですよ。
1回目は「1.」(1番カッコ)を演奏して繰り返し記号の始点
(この場合は曲の頭)に戻ります。
2回目は、「1.」をすっ飛ばして「2.」に進むのです。
順番に数字をふると、こうです。
「1.」を2回目はすっ飛ばす
というところがポイントです。
上記で紹介した、単純な反復記号と1番カッコ・2番カッコは
繰り返し箇所の始点と終点がどれだけ離れていても大丈夫です。
ダ・カーポ
次の繰り返し記号はアルファベットで表します。
da capo もしくは D.C.
読み方は「ダ・カーポ」で、イタリア語です。
「da」は英語で「from」、「capo」は「head」ということで
頭から、すなわち最初から、という意味です。
途中でこれが出てきたら
曲の頭に戻りなさいよ
ということです。
1回戻ったあとにどこまで演奏するかというと
Fine
と書いてあるところまでです。
イタリア映画なんかで、最後に「Fine」て出たりしますよね。
演奏するとこんな感じ。
ひととおり最後まで演奏したら、D.C.で頭に戻り
Fineでおしまいです。
Fineで曲を終わらすのではなく
別の場所に飛びたいこともあるかもしれません。
その場合、こんな記号が使われます。
読み方を「ヴィーデ」といいます。
でも読み方で読むことはほぼありません。
曲の途中にこのヴィーデが出てきても
活躍するのはD.C.で戻ったあとです。
D.C.で戻ったあとに、このヴィーデが出てきたら
楽譜のあとの方を見て、同じヴィーデが出てくるところを探しましょう。
でもって、その同じヴィーデが出てくる箇所に飛ぶのです。
わかりづらいですね。
こうです。
飛ぶ元の方は小節の終わりあたり、
飛ぶ先の方は小節の頭あたりにヴィーデを書きます。
とはいえ、どっちがどっちかわかりにくいのは確かですので
飛ぶ元の方は
飛ぶ目的地の方は
このように書くことも多いです。
こうですね。
目的地の方に「Coda」とありますが
これは「曲の終わり部分」という意味です。
飛んだ先が曲の終わり部分のことが多いので
こういうふうに書くんですね。
それが転じて、曲の終わり部分じゃなくても
このように書くことがちらほら出てきました。
更に転じて、今日ではこのヴィーデ自体を
コーダマークなんて呼ぶこともあります。
ダル・セーニョ
ダ・カーポは「曲の頭に戻る」でした。
でも、曲の頭じゃなくて、好きな場所に戻りたいこともありますよね。
そういうときはこのダル・セーニョです。
dal segno もしくは D.S.
と書きます。
「dal」ってのは、さっきのダ・カーポの「da」とほぼ同じで
英語の「from」です。
「segno」というのは英語の「sign」、すなわちサインとかマークです。
「印をつけたところから」という意味ですね。
ここまで戻りなさいよ、という印はこれです。
アルファベットのSに斜め線を引いて、ちょんちょんと点を打ったものです。
このダル・セーニョの場合も、ダ・カーポと同じで
戻ったあとはFineで終わります。
こうですよ。
また、これまたD.C.と同様、ヴィーデ(コーダマーク)も使えます。
はい。
だいぶややこしいですけどね。
でもほんとによくバンドスコアに出てくるんで
覚えておいて損はないですよ。
さあ、今回はここまでです。
次回は久しぶりに音符の話が出てきますよ。
また次回!
t.k
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