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初心者におくる作曲方法のコツ!第43回 セカンダリー・ドミナント その1

2018年1月26日趣味, 作曲

初心者におくる作曲方法のコツ!第43回 セカンダリー・ドミナント その1

こんにちは!

今回から新しい話をしますよ。

前回までのモーダル・インターチェンジに続いて

ダイアトニック以外の
使える和音を増やしていきます。

さあ、参りましょう!

セカンダリー・ドミナント

セカンダリー・ドミナント

ドミナントのおさらい

さて、ドミナントってなんでしたっけ?

5番目の和音ですよね。

ハ長調だったらGでした。

ex470

はい。

このドミナント

とにかくトニックに向かいたくて
しょうがない音でしたよね。

ex471

このドミナント

四和音だとセブンスになりますが

セブンスの方が
よりトニックに向かいたくて仕方ない音です。

ex472

ものすごいドミナント感ですね。

これからしばらく
このドミナント感を意識するために

セブンスのついた四和音を用いていくことにします。

さて。

ルートの動きを見てみますと
ドミナントからトニックへは

ソ → ド

というふうに、5度下がっています。

この場合のトニックは
1番目の和音に限って考えましょう。

上記の楽譜は4度上がってますけど
同じことですね。

4度上がるのも5度下がるのも
どっちもソからドですが

ドミナントについて語るときは
慣習的に「5度下がる」といいます。

「ドミナントからトニックへと5度下がる」
というこの動きを

ドミナント・モーション

と言います。

「モーション」は「動き」という意味の英語ですね。

今回の話は、ここから始まります。

トニック以外へのドミナント・モーション

1番目のトニック以外の音にも

ドミナント・モーションをもうけてあげたらどうか
と考えた人がいました。

不安定なセブンスの和音から5度下がったら
トニック以外の音にたどり着いちゃった

っていうことがあってもいいんじゃないかと。

ハ長調だったらDmやEm、F、G、Am、Bdimに
セブンスの和音から5度下がった結果たどり着く。

どういうことでしょうか。

たとえばDmを到達点とする
ドミナント・モーションは

ルートである「レ」の5度上の和音からとなりますね。

つまり

A7 → Dm

という動きです。

でも、A7ってハ長調では
含まれない和音ですよね。

ex473

そもそもの主音であるドに
シャープがついちゃいました。

でも聞いた感じは
そんなに違和感ないですよね。

この、とにかく5度下がりたくて仕方ないという

セブンスの和音の力が
調という枠を乗り越えちゃったんですね。

この、1番目のトニック以外の和音に対して
5度上のセブンスの和音

セカンダリー・ドミナント

と言います。

言い方を変えると

1番目のトニック以外の和音に解決するセブンスの和音

ということもできますね。

セカンダリー(secondary)というのは
「二次的な・派生的な・副次的な」という意味ですが

じゃあ「一次的な・本流の」ドミナントは何かというと

1番目のトニックに解決する
いつものドミナントの和音です。

ハ長調でいえばG7
ローマ数字で書けばV7ですね。

さて。

まず、ハ長調で考えます。

1番目のトニック

すなわちC以外の和音についての
セカンダリー・ドミナントを見てみましょう。

簡単です。

ルートを5度上げたセブンスの和音です。

以下、矢印の左側が
右側に対するセカンダリー・ドミナントです。

A7 → Dm

B7 → Em

C7 → F

D7 → G

E7 → A

F#7 → Bdim

こういうことになりますね。

これらのノン・ダイアトニックな和音を

セカンダリー・ドミナントとして
ハ長調で使えるということになります。

でも、どうやって使うんでしょうね。

セカンダリー・ドミナントを使ってみる

これまでなんども出てきました
第10回で作ったこの曲。

ex474

今回は後半部分を使ってみましょう。

モーダル・インターチェンジの時もそうでしたが
その調にない和音を使うので

メロディーと和音が半音x1を構成しやすいんですね。

なので

そうならないように注意しなければなりません。

2段目の最初に出てくるF。

Fにつながるセカンダリー・ドミナントは?

C7ですね。

5度上のセブンスです。

現在のFの前のコードはCです。

幸いにもよく似た和音ですね。

しかもメロディーと和音で半音にならない。

というわけで
こうしてみました。

ex475

いかがです?

CとC7じゃあまり変わらないように見えて
なんとなくの印象が変わった気がしますね。

もう1箇所やってみましょう。

最後の小節のDm→G→Cという

サブドミナント・ドミナント・トニックの流れは
変えたくないので

その前のCを変えてみることを考えます。

Dmにつながるセカンダリー・ドミナントは?

5度上のセブンス
A7です。

メロディーも幸い「ソーミー」と
A7に含まれる音です。

ex476

はい、どうでしょう。

違和感ないですよね。

単純な印象の元のバージョンと違って
ちょっと豊かな感じに聞こえますね。

その箇所だけちょっと転調した感じです。

まずは、すでにある曲で
いろいろ試してみるといいですね。

ここいらでちょっと違う感じがほしいなと思ったら
セカンダリー・ドミナントの使いどころかもしれません。

今回はここまでです。

もうしばらくこのドミナントがらみの話が続きますよ。

ではまた次回!

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Posted by t.k