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初心者におくる作曲方法のコツ!第40回 モーダル・インターチェンジ その1

2018年1月26日趣味, 作曲

初心者におくる作曲方法のコツ!第40回 モーダル・インターチェンジ その1

こんにちは!

今回からちょっと新しい話をはじめますよ。

使っていい和音がどんどん増えていきます。

では参りましょう!

ダイアトニック

ダイアトニック

使ってもいい音・和音

さて、本題に入る前に
今までの復習をしておきましょう。

ハ長調で使っていい音というのは
以下でしたね。

ex431

使っていい三和音。

ex432

使っていい四和音。

ex433

ほかにもsus4とか6thとか出てきましたが
そういうのも「使っていい和音」ですね。

このそれぞれの調に所属している和音を
ダイアトニックであると言います。

また、和音自体を

ダイアトニック・コード

といいます。

上記の「使っていい三和音・四和音」は

ハ長調のダイアトニック・コードである
という言い方をします。

もしくは

「この和音はハ長調でダイアトニックである」
というような言い方もできます。

ちょっとややこしいですかね。

これは長調でも短調でも一緒です。

その調を構成している音のみから
成り立っていること

ダイアトニックというのですね。

これまでは

このダイアトニック・コードのみを使って
曲作りをしてきました。

でも世の中もっと広いんですよね。

ダイアトニック・コード以外にだって和音はあります。

今回からダイアトニック・コード以外の
和音について考えていきます。

ダイアトニックではないものを

ノン・ダイアトニック

といいます。

ダイアトニック・コードではない和音は

ノン・ダイアトニック・コード

ですね。

モーダル・インターチェンジ

モーダル・インターチェンジ

早速ノン・ダイアトニック・コードの
可能性を探っていきましょう。

まずは

モーダル・インターチェンジ

というものについて考えてみます。

でもその前に

「モーダル」「インターチェンジ」

それぞれの単語について考えてみましょう。

「モーダル」「インターチェンジ」って何だ?

「モーダル」

モーダルっていうのは
英語の「modal」です。

「mode」の形容詞形ですね。

じゃあ、この「モード」って何でしょう?

ここでは長調短調のことだと
思ってください。

本当はこの2つだけではなくて

もっとたくさんの「調」があって
それら全てを「モード」というのですが

まあ、長調・短調以外は
あまり使いませんので

今は触れません。
(いずれちゃんと説明します。もし気になってしょうがない方は
Wikipediaなどで「教会旋法」を調べてみてください)

「インターチェンジ」

これは簡単ですね。

英語の「interchange」

「交換」とか「置き換え」の」意味です。

つまりモーダル・インターチェンジとは

調の交換・置き換え

ということになります。

具体的に見ていきましょう。

モーダル・インターチェンジの実際

ハ長調の場合

ハ短調とのあいだで
和音の交換を行うことを指します。

ハ長調とハ短調の関係は?

基調になる音(=主音)が一緒の
同主調ですね。

まず、繰り返しになりますが

ハ長調の音階と
ダイアトニックな和音は以下です。

ex434

ex435

ハ短調は以下ですね。

ex436

ex437

この和音を入れ替えることができるんですね。

どういうことかというと
たとえば

長調のIV(ハ長調ではF)を
短調のIVm(同じくFm)に

長調のIIm(Dm)を
短調のIIdim(Ddim)に

というように
ルートが同じ短調の和音に置き換えができるんです。

何番目の和音か
ということで考えてもいいですね。

ローマ数字の部分が同じもの同士が置き換えできます。

これは、三和音だけでなく四和音でも一緒です。

それも、トニック・ドミナント・サブドミナントといった
働きは保持したまま。

(これ、無条件にというわけではありません。追い追い説明します)

ためしにやってみましょう。

もう何度も出てきていますけれども
第11回で作ったこの曲を使いましょう。

ex438

この2小節目に「F」が出てきますね。

これを変えてみます。

ファがルート音のハ短調の和音はどれですか?

Fmですよね。

というわけで、こうします。

ex439

どうです?

いいですよね。

こんな感じの曲
聴いたことがあるような気がします。

元の曲はただ明るいばっかりなのに対して

こっちは哀愁を帯びた
アンニュイな感じがします。

短調の要素を持ってきたんだから
さもありなんというところです。

3小節目にあるFもやってみましょうか。

ex440

ああ、これはダメですね。

なんででしょう?

和音のラを半音下げたのに
メロディーにラが出てきていますね。

和音のラbと半音x1を構成してしまうから
音がぶつかってしまうんですね。

でも、次に出てくるDmはいけそうですよ。

ex441

短調の2番目の和音に置き換えてみました。

これもいいですね。

なんでFとDmを入れ替えてみたかといいますと

長調のサブドミナントは
モーダル・インターチェンジしやすいから
なんです。

今回見てみたサブドミナントも含めて

どんな和音が置き換えやすいのか
次回もっと細かく見ていきましょう。

今回はここまでです。

また次回、お楽しみに!

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Posted by t.k